ベルウッド・レコード、はっぴいえんど解散後からのニューミュージックの歴史を辿る

上海帰り / 南 正人

三浦:僕名曲だと思っているんですよ。このベース、すごいですよね。久保田麻琴さんの。

田家:サンセットギャングの方ですね。

三浦:井上健一さんもたぶん入っていて、それで久保田さんもこの曲を歌っているんじゃないかなと。

田家:久保田麻琴さんもそういう意味では東南アジアからずっと旅をしていた人でしたもんね。ずっとヒッピーであり続けた人。来週の話になるのですが、三浦さんは1975年にベルウッドを離れて、フォノグラムのミュー・モーニングという新しいレーベルを始められて、南さんはそちらでも?

三浦:そうです。僕はアーティストと契約をしてないんですよね。どこのレコード会社でも自由にできるようにしていたんです。僕が動いて、一緒に来たい人だけ来てくださいって言って。

田家:会社との何年契約みたいなことではないんだ。

三浦:ないんです。だから、みんなで移っていたんですね。契約があれば、みんな移れないですから。そういう意味では一切縛らなかったですね。

田家:南さんはデビューはRC。でも、RCはあまり上手くいかなかったみたいですもんね。本来は2枚目のアルバムを『ファースト』って言っているのは、前のアルバムが思うようなものではなかった。

三浦:たぶんそうなんでしょうね。

田家:南さんは2021年1月、ライブ中に亡くなった。76歳でした。

三浦:周りの人は大変だったと思うけど、本人は幸せだったと思います。最後の最後まで好きなことをやっていたんですから。

田家:旅をしながら歌い続けて。

三浦:そう。僕の幸せっていうのは、最後の最後まで好きなことを続けた人だと思っているんですよ。

田家:はっぴいえんどのメンバーと並んでベルウッドを支えたのがこの人たちですね。1973年10月発売、はちみつぱいのアルバム『センチメンタル通り』から「夜は静か 通り静か」。

Rolling Stone Japan 編集部

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