ベルウッド・レコード、はっぴいえんど解散後からのニューミュージックの歴史を辿る



田家:この曲を選ばれているのは?

三浦:音楽評論家の小川真一さんが70年代の日本語ロックでこれ以上の名曲はないと。そうだなと思って選んだんですけど(笑)。

田家:moonridersが今年『It’s the moooonriders』というアルバムを出して、その時に慶一さんに1ヶ月来ていただいてお話を伺っていたのですが、「塀の上」での博多からロンドンへお嫁に行く。これは実話だと言っていましたね。どなたの彼女だったかは忘れましたけども。

三浦:今日初めて聞きました(笑)。

田家:機材もなかった、スタジオも探さなければいけなかった。演奏できるミュージシャンもいなかった。そういう時代に作られたアルバム、曲、作品が今なんでもある。機材でもなんでもできちゃう、人もすぐ集まる時代に若い人たちはどんなふうに聴いているんだろう。

三浦:彼らがどう聴いているかは分からないですけど、演奏テクニックにはかなり上がっているなと思います。1つだけちょっとあれなのは言葉が軽薄ではないけど、深みがないかなってちらっと思いますよね。だけど、それは時代だからね。

田家:コンピューターを使えば、どんな音でも作れちゃう音の中でベルウッドの音は作れるんですかね。

三浦:作れると思いますよ。ただ、細野さんとか当時のミュージシャンは今の人たちに入ってもレベルが高い方だと思うんですよね。だから、そういう意味ではできるとは思うんですけど、それを上手く集める人がいたらできると思います。

田家:キャリア、味、年季、想い、全部違うんでしょうが次のアルバムにはmoonridersのかしぶち哲郎さんとか岡田徹さんが参加しておりました。1973年11月発売小室等さんのアルバム『東京』から三浦さんが選ばれた曲「無題」です。

Rolling Stone Japan 編集部

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