「第73回NHK紅白歌合戦」初出場が決まったBE:FIRST。彼らは7人全員がフロントマンで、「センター」も「リーダー」も存在しない。そんなメンバーたちのライブパフォーマンスにおける個性に迫った「Rolling Stone Japan vol.20」掲載のソロインタビューを年末に向けて連日お届けする。1日目はSOTA。
※この記事は2022年9月発売「Rolling Stone Japan vol.20」に掲載されたものです
ダンスの世界大会で4度も優勝経験があるにもかかわらず、より音楽との距離を縮めて自分にしかできない身体表現を追究したいという意志を持ち、アーティストとして「二度目のスタート」を切ることを選んだSOTA。彼のダンステクニックはもちろん、メンバーに対する愛情と優しさがBE:FIRSTのパフォーマンスを支えている。【写真を見る】「THE FIRST FINAL」でのパフォーマンスー初ライブからの1年で、最も記憶に刻み込まれているステージは?SOTA どれもそこでしか得られないものがあったんですけど、『THE FIRST FINAL』は得られたものが大きかったですね。
ーそれは、具体的に言葉にするとどういうものでした?SOTA 「ダンサーからアーティストに変貌を遂げる」ということが目標だったオーディションから始まって。でもデビューを境に「アーティスト」になったかというと、そういう感覚は正直なくて。ちょっとずつグラデーションのように染まっていった感じなんですけど、『THE FIRST FINAL』で、オーディションの頃のメンバーともう一回音楽をやることによって、「あの頃はこうだったのに」ということがたくさん見つかって。オーディションの頃の楽曲をやったときに上手くなったことを感じられたり、マイクを持ってパフォーマンスすることに対して不安とかが消えて楽しいという気持ちがあったり。それに気づけたことがすごく大きかったです。最後はBE:FIRSTのステージで締めたんですけど、そのときもすごく胸を張れたんですよね。『THE FIRST FINAL』はアーティストとしての自信や勇気をもらえたライブでした。
ーこの1年、7人でやってきて、ライブパフォーマンスにおいて自分と真逆なものを持っているなと思うメンバーは?SOTA JUNONですね。僕はステージの上でダンスのことはまったく意識しないでこなせるんですけど、JUNONはそれの逆で。歌に関して、意識を置かず楽しむことに振り切れているステージングがすごく羨ましい。僕は、ピッチだったり、ニュアンスだったり、練習でやったことを発揮していいパフォーマンスを見せるために頭を使いながら、その中で楽しむ、という感じで。その分JUNONは踊りに気を張るという話をしていたんですけど、「歌に気を遣わないのか」と思うとちょっと羨ましいなって。すごく活き活きやっていて、羨ましい。
ー逆に、ライブパフォーマンスにおけるSOTAさんの個性をあらためて言葉にしてもらうと、どういうところだと自覚していますか?SOTA ダンス。体現。身体で表現するというところは人一倍やってきた自信がありますね。振り付けがない楽曲のときも、単純にドラムじゃないところでフリーで表現できるし。いろいろ踊ってきたからこそ、特に意識を置かず楽しむことによって「今日はメロディで踊ってたな」「今日はリリックで自由に(リズムを)取ってたな」「今日、そういう気分だったんだ、俺」みたいに感じます。