極悪ポルノ男優、「重度の認知症」と診断される 米

ジェレミーことロナルド・ジェレミー・ハイアット被告は、2020年に女性8人の強姦容疑で最初に起訴された。さらなる容疑が浮上したことで裁判はたちまち拡大し、2021年8月には未成年者を含む21人の被害者に対する性的暴行罪34件で起訴された。容疑は古くは1996年にまでさかのぼり、被害者も51歳の成人女性から15歳の少女までと幅広く、十数件の強制暴行罪も追加された。被告は無罪を主張していた。

検察によると、ジェレミー被告は有名人という立場を使って「弱い立場にいた」女性たちの警戒を解き、人気のない場所に誘い込んだ。検察の話では、暴行のうち8件はウェストハリウッドのサンセット大通りにあるレストランRainbow Bar & Grillで行われていたとみられる。この店でジェレミー被告はVIPとして、店の裏の従業員エリアに出入りしていた。

昨年3月に刑事裁判が停止される直前に予定されていた審理は、21件の訴因ごとに分割して裁判を行うという被告側の要求が争点だった。「ハイアット氏の陪審が不適切行為の主張を何十回も聞かされれば、陪審員はそれぞれの訴因を公正に判断できず、立証責任を厳格に果たすことができなくなる」と、分割裁判を求める弁護側の申し立てには書かれている。

検察はこの申し立てに反論し、起訴内容に絡む犯罪はどれも同等で「策略が共通している」と述べた。つまり、分割裁判になれば同じ証拠が採用され、証人も重複し、法廷の資源や労力を無駄にすることになる。被害者21人中8人はRainbow Bar & Grillで、「非常に似通った手段で」襲われたとみられている。

ローリングストーン誌が入手した反論状によると、マレーネ・マルティネス検事補はこう主張している。「陪審員や裁判所の時間以上に、関係者にとって重要なことは、性的暴行を受けた被害者に何度も証言させればトラウマを再現させる危険をはらんでいる点だ」

「被告は21件すべてにおいて、弱い立場で抗うことのできない被害者を標的にしていた。トイレ、寝室、友人宅に女性を隔離する、あるいは不意打ちで襲いかかることで、被告は性的暴行を加えている間女性たちに抗う機会を決して与えなかった」と反論状には書かれている。「合同裁判を行うことが、裁判所、陪審員、被害者や証人の時間を無駄にしない唯一の方法だ」

被告弁護士のケイト・ハーディ氏は17日、公判の無期限停止の裁定が考えられる唯一の結末だと述べた。

「(検察側の)医師は、訴訟不能を強く支持しています。我々の証人よりも徹底しています」と、審理後にハーディ氏は語った。「医学的問題がある以上、他に選択肢はなかったと思います」

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from Rolling Stone US

Akiko Kato

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