ビヨンセを「小さな賞」に追いやるグラミー賞 なぜ黒人女性への冷遇を続けるのか?

技術的なレベルでは、『RENAISSANCE』はダンスクラシックとして、また音楽史の象徴的な作品として成功した。ビヨンセが最優秀ダンス/エレクトロニックアルバム賞を受賞し、グラミー賞の最多受賞アーティストという歴史を作り、さらにこのジャンルを発明したクィア・コミュニティに感謝を捧げたとき、それは明らかだった。とはいえ、最優秀アルバム賞に選ばれなかったことは、レコード・アカデミーがよりよいものを生み出すアーティストに対する基本的な理解をまだ欠いていることを証明している。

これは以前にも見られた光景だ。ビヨンセはベック(2015年)、アデル(2017年)、そして今回のハリー・スタイルズ(2023年)が賞を獲得した瞬間、歓声に包まれながら立ち尽くしていた。しかし今回、黒人アーティストの音楽史への貢献がこれほどまでに強調された夜、ビヨンセへのsnub(冷たい態度)は特に腹立たしく感じられる。黒人アーティストが音楽のあらゆるジャンルを定義してきた一方で、音楽シーン最大の夜は、黒人の芸術性に賞賛を与えることを拒否することで自らを定義してきた。ビヨンセはもっと評価されて然るべきだ。私たちはみな、そう思っている。

From Rolling Stone US.

Translated by Rolling Stone Japan

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