Hana Hope × HONNE対談 共鳴し合う両者の出会い、世界へ羽ばたくために大切なこと

 
HONNEからHana Hopeへ、世界で活躍するために大切なこと

─ところでHONNEのお二人は、これまでBTSのRMやカリード、サム・スミスといったグローバルに活躍するアーティストたちとコラボレーションをしてきました。そんなお二人から見たHanaさんのポテンシャルやオリジナリティはどんなところにあると思いますか?

アンディ:Hanaのボーカルは壊れてしまいそうな儚さがあって、そこがオリジナリティだと思いました。僕らは力強いボーカルが苦手なんですよ。ちょっと今の言い方は意地悪だったかな(笑)。もちろん、そういうアーティストが必要なのは分かっています。僕自身もレコーディングする時、うまく歌おうと意識し過ぎて逆にうまくいかなかったことが何度もありました。伝えたい感情が入ってないというか……ジェイムズと一緒にやり始め、もう少し優しく静かに歌えばいいと気づいたんですけどね。

ジェイムズ:HONNEを結成する前は、アンディの声の優しさに気づかなかったんです。でも、HONNEを結成してから、あるとき彼がマイクを片手に前かがみに座って歌いだしたことがあって。その瞬間「この声だ!」と叫んでいましたね。


HONNEがプロデュースを担当したRMの楽曲「Closer」

─BTSももちろんそうですが、ここ最近はBLACKPINKやミツキ、リナ・サワヤマといったアジア系のアーティストが世界的に活躍しているなと思います。

アンディ:彼らが注目されるまで、こんなにも時間がかかったこと自体は問題ですよね。要するに、西洋の音楽がずっとシーンを独占していたということだから。僕にとって音楽はインターナショナルな言語の一つで、たとえ日本語を話せなくても、音楽を通して何が起こっているのかを理解できます。アジアのアーティストたちが人気を博するのに、これだけの時間がかかったのは残念だけど、単なるトレンドにならず、流れが続けばと思うね。

ジェイムズ:素晴らしいアーティストたちが、扉を開いてくれました。「こんな素晴らしい音楽に、どうして今まで知らなかったんだろう?」って、ようやくみんなが気づきはじめたと思いますよ。

─それにはインターネットの力も大きかったですよね。

アンディ:間違いなく。僕ら(の成功)もインターネットのおかげですよ。

ジェイムズ:インターネットがなきゃ、音楽で生きていけてないしね(笑)。



─ちなみに今、注目しているアジアのアーティストはいますか?

アンディ:逆に、僕らに教えてくれないか?

Hana:私はあまりトレンドをチェックしていないけど、K-POPは最近ずっと人気だよね。

ジェイムズ:ねえ、NewJeansっていう新しいグループを知ってる?

Hana:うん、知ってる!

ジェイムズ:かなり若いよね。信じられない。音楽はとてもかっこいいんだ。まだ出てきたばかりなのに、Spotifyには約2200万人のリスナーがいるんだよ?

─彼女たちのように、Hanaさんが今後グローバルに活躍していく上で必要なことといえば?

ジェイムズ:僕らはまず40曲ほど作って、信頼している人たちに意見を求めたところ、「まずは良い曲をたくさん作ることが大事だ」と言われました。さらに、一緒に楽しめる人を見つけることや、楽しみながら熱中すること、周りの人に影響されないことも大事なのだなと。自分で作曲した曲を「素晴らしい」と思えたらそれでいい。それが僕の人生ですからね。

アンディ:長いキャリアを続けていく上で、信じられる仲間を持つことはとても重要だと思います。自分たちの音楽を楽しむこともね。

ジェイムズ:それらを軽視して、3週間のツアーバスを最悪なムードにしちゃう人って結構いるんだよ……ひどいよね。(笑)周りにエネルギーを与えるタイプの人と奪うタイプの人がいて。僕の父が言っていたのだけど、人間は4つのタイプに分類できる。まず 掛け算のタイプは、みんなのアイディアやエネルギーを奪ってどんどん成長していく。足し算のタイプは何も奪わないで、ただ与える、引き算のタイプには、気をつけたほうがいい。何も持ってこないし、とにかく否定ばっかりするんだ。で、4つ目は何だったかな……思い出そうとしてるんだけど出てこないや。



─(笑)。今後、もしコラボレーションをする機会があるとすれば、どんなことをやってみたいですか。

Hana:チルソングを一緒に作ってみたい。車で聞けるような感じの曲がいいな。

アンディ:ああ、僕もそのアイディアには賛成だよ。やってみよう。Hana、今は東京にいるの? 僕らは8月に東京に行く予定なんだ。何かおすすめの場所はある? 例えば、土曜の朝起きて、親友と出かけるなら、どこに行く?

Hana:そうだな……もうなくなっちゃったんだけど、私の家から5分くらいの場所にとってもいいドッグカフェがあったの。

ジェイムズ:そういえば、下北沢のお好み焼き屋さんに行ったことを覚えているよ。店に僕らのサインが飾ってあるはず!

Hana:私もお好み焼きは大好き。二人とも、お寿司は好き? 目黒駅のそばに回転寿司屋さんがあって、目の前で捌いてくれるからとても新鮮だし、そんなに高くないの。

アンディ&ジェイムズ:いいね!




Hana Hope
1stアルバム『HUES』
2023年3月15日リリース

「We've Come So Far」
配信リンク:https://lnk.to/WeveComeSoFar

Hana Hope
2006年東京都出身。2020年伝説のレコーディング・スタジオ、音響ハウスの映画「Melody-Go-Round」に出演、テーマソングを歌う。2021年には細田守監督の映画「⻯とそばかすの姫」で声優デビュー。2022年2月に、シングル「 Sentiment / Your Song 」でデビュー、国内外における数多くのプレイリストやチャートに入り話題のニューカマーとなる。11月3日、加藤登紀子 × 江﨑文武の手による待望のセカンド・シングル「きみはもうひとりじゃない」、そして自身の作詞・作曲による「16 - sixteen」をリリース、同日には表参道wall & wallにて初のソロ・ライブを開催。同年12月14日にはサード・シングル「それでも明日は」(作詞:柴田聡子 作曲: UTA)を発表。本作は、2023年1月公開の映画「あつい胸さわぎ」の主題曲である。これまでに日立、ソニー・コンピューター・サイエンス研究所、花王、JR東日本などのコマーシャル・ソング歌唱、ナレーションなども行っている。17歳とは思えない表現力、という評価を集める Hana Hope は、デジタルネイティブなZ世代。小さな枠にとらわれることのない幅広い音楽性を表現する、新世代のフィーメール・シンガーである。
Hana Hope Litlink:https://lit.link/hanahope

HONNE
UKロンドン出身。ボーカル/プロデューサーを務めるアンディ(Andy)と、マルチプレイヤー/プロデューサーのジェイムス(James)からなる2人組エレクトロ・ポップ・デュオ。
ユニット名の由来は日本語の「本音(ほんね)」。言葉の意味を気に入り、まさに自分たちの作っている曲を表しているとのことで命名された。2014年、1st EPをインディーズレーベルからリリース。同年、アトランティック・レコーズと契約し、これまでに3枚のアルバムをリリース。また、BTSのRMやKhalid、Sam Smith, 88RisingのNikki, BEKAらグローバルに活躍するアーティストと数多くコラボレーションし、彼らが次にプロデュースするアジアのシンガーとしてHana Hopeとのコラボが実現。2023年、SUMMER SONICへの出演が決定した。
https://www.hellohonne.com/

SUMMER SONIC 2023
2023年8月19日(土)、20日(日)
千葉 ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ / 大阪 舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※HONNEは8月19日・東京、20日・大阪に出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/

Translated by Hanako Tabata, Natsumi Ueda

 
 
 
 

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