妻と息子を銃殺した米著名弁護士が終身刑に 家庭崩壊が招いた悲劇

二重殺人裁判の最終弁論で、妻と息子が殺される経緯をクレイトン・ウォーターズ検事が説明する間、涙を流すアレックス・マードック被告(JOSHUA BOUCHER/THE STATE VIA AP, POOL)

妻と息子を殺害したとして、元弁護士のアレックス・マードック被告に終身刑が言い渡された。地元で有名な法曹一家の後継者としても知られたマードック被告は2021年6月、米南部サウスカロライナ州の自宅敷地内で妻マーガレット(52歳)さんと息子ポール(22歳)さんを射殺したとして殺人などの罪で起訴されていた。

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アレックス・マードック被告の二重殺人裁判で、3月1日(水)に最終弁論が終了した。検察はサウスカロライナ州の陪審に、マードック被告が妻のマギーさんと息子のポールさんを殺害したと力説。また弁護士資格をはく奪された被告を「家庭崩壊者」と呼び、金銭絡みの犯罪で捜査の手が及ぶのを止めるために殺人を犯したのだと主張した。

クレイトン・ウォーターズ筆頭検事は、被害者の携帯電話から入手したデータと動画を提示し、2021年6月7日にマードック被告が犯行現場にいた証拠だと述べた。複数の証人が検察が主張する犯行時間の直前にポールさんが撮影した動画について、背後から聞こえる声の主はマードック被告だと証言した。マードック被告は事件当夜の所在について警察に嘘をついたことを認めたものの、妻と息子が「銃で撃たれた時」、自分は2人の近くにはいなかったと主張している。

ウォーターズ検事は被告の携帯電話から抜き出した追跡データを提示。被告は殺人を犯した後足早に移動して、敷地から母親の家に向かったと主張した。

「被告は問い詰められるまで、犯行現場にいたことを認めようともしませんでした」とウォルターズ検事は陪審に語った。「それからずっと落ち着かない様子です」。

またマードック被告が武器を入手し、一家がコレトン郡に所有していた狩猟施設で、2021年6月に妻と息子を殺害したとウォーターズ検事は主張した。

「銃声を聞いた妻は赤ん坊のところに駆けていき、そこで撃たれました。我々が入手した決定的証拠によれば、その数分前に現場にいた人間はただ1人です」とウォーターズ検事は述べた。

Akiko Kato

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