アダルト動画サイトPornhubが米ユタ州で閲覧不可に 女優の怒り「問題解決にはならない」

福音派キリスト教はこうした主張に反論している。というのも数年前、Pornhubがユーザーに有害かつ違法なコンテンツのアップロードを許可していたからだ。だが、よからぬ連中が数年前に未成年の猥褻動画をPornhubにアップロードしていたとはいえ、その数は全体のごく一部だ。Pornhubは広告収入と、認証済みユーザーのコンテンツ売上から収益を得ている。デジタル広告に詳しい人なら誰でもご存じの通り、オンライン広告の収益は微々たるものだ。Pornhubは数十億とはいかないまでも、数百万回の閲覧回数を稼がないともうけを出すことはできない。目をそむけたくなるような違法コンテンツは、Pornhubの懐を温めるほどのアクセスはない。


2022年5月3日、ユタ州ソルトレイクシティの州議会前で、中絶の権利支持を訴える人々(GEORGE FREY/GETTY)

未成年者の関与はポルノ業界にとって有害だ。だが私たちが子どもをアダルト動画から遠ざけたい最大の理由は、不快極まりないからだ。10代の少年が私のポルノを見ているなど、考えただけで吐き気がする。きっと同業者も同じ気持ちだろう。

私たちがユタ州をはじめとする厳格な法律に反対するのは、問題解決につながらないからだ。ティーンイエイジャーは年齢確認システムを簡単に回避できる。Pornhubのような企業がユタ州をブロックしたり、私のPSAが警告したりすると、ユーザーはインターネットの周辺に流れるものだ。そこでは海外の悪い輩が、法や規制を一切無視している。キリスト教系活動家は、こうした犯罪者が幅を利かせているのはPornhubのせいだ、Pornhubがユタ州をブロックしたからだと主張するだろう。だとしても、免許証をアダルトサイトにアップロードしたくないがゆえ、ポルノを求めてよそへ移る成人は大勢いる。免許証の写しをデジタルメディア企業に提出するよう強制するのは、重大なプライバシーの侵害だ。今現在、人々がPornhubを利用しているのは名のあるブランドだからだ。利用できなくなれば、ネット上に別の場所を見つけるまでだ。法を破る人間がどんどん増えていくだろう。

ポルノ業界はこうした事態を望んでいない。全体としてインターネットはうんざりするほど荒れまくりで、20年間も醜態をさらし続けている。政治家はとうの昔にこうした問題を解決して、子どもたちを守る最善策を練っておくべきだった。そうすればアダルト業界も諸手を挙げて賛同しただろう。アダルトエンターテインメント企業もポルノパフォーマーも、未成年者のコンテンツ閲覧には心底嫌っている。それに、私たちは誰よりもインターネットを熟知している。なにしろストリーミングからチャットボット、ビデオチャットに至るまで、スタート地点は私たちの業界だったのだから。VPNについて何も知らない老いぼれ政治家ではなく、私たちが提案する解決策に耳を傾けもいいのではないだろうか?

関連記事:米有名ポルノ女優が語る、Pornhubを題材にしたNetflixドキュメンタリーに出演した理由

from Rolling Stone US

Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE