ミームトーキョーが語るDIY精神、世界の中心で「己」を叫ぶために

ミームトーキョー

でんぱ組.incの妹分ユニットとして2021年8月にメジャーデビュー。MEW、RITO、SOLI、SAE、MITSUKI、NENEによる6人組ユニット、ミームトーキョー。MEWはバンドの「ヒルネ逃避行」でも活動し、RITOは天沢璃人としてでんぱ組.incのメンバーを兼任、韓国在住のSOLIは日本に来られない時はリモートでグループに参加、NENEはソロで作曲をし、MITSUKIはダンサーとしてだけでなく個展を開催するなど、各自が自由なスタンスで活動に臨んでいる。最新EP『MEMETIC INFECTION』ではオタクカルチャーのカオス感というか、濃さや自由さを凝縮し、音楽というフィルターを通して鮮やかに表現。グループ曲3曲+メンバーソロ or ユニット曲4曲。それぞれの曲に込めた想いを聞いた。

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—2021年、コロナ禍に現メンバーとなってメジャーデビュー。韓国在住のSOLIさんも日本に来られず、リモートでレコーディング等に参加するものの、しばらくライブはできない状況が続きましたが、今年に入り、ようやく6人揃ってのライブが実現しましたよね。

SAE:ミームトーキョーになってから声出しできないままライブをやってて、私もコロナ禍に加入したんですけど、マスクを外したお客さんの顔を見たことがない状態で。でも最近になって声出しもできるようになって、一緒に声を出せるとライブの盛り上がり方も全然違うし、MCに反応が返ってくるのも純粋にうれしいなと思いながらライブをできてます。



—お客さんとのコール&レスポンスも含めて、“アイドルの現場感”が戻ってきた感覚はありますか?

RITO:どうなんだろう。私たちって最初からめちゃくちゃコールがあったわけでもないんですよ。楽曲にコールを入れる隙間がないし、振り付けも、見せる感じの振りというか。そういうこともあって、コロナ禍明けからのコールが聞こえてくる現状が新鮮だったりします。アイドル業界では当たり前が帰ってきたって言うんですけど、私たちからすると新しい世界という感じです。

SAE:コールがなかったときは、ステージと客席の間に境界線があった気がして。“私達”と“見てくれてるお客さん”みたいな感じがちょっとあったんですけど、声が返ってくると一つの空間だなって感じます。

SOLI:私は日本に来られるようになったのが最近だから、声が出せないライブがどんな感じだったのか分からなくて。だから今は素直に楽しいなって思ってます。

NENE:元に戻るっていうより、作ってる感があるよね。ミームを応援してくれる人で、どこで声を出せばいいか今もわかってない人もいっぱいいると思うんですけど、それを今頑張って皆で作ってるよね。

RITO:でも俺らも正直ちょっとわからないんですよ。この曲にどんなコールが入るんだろうとか、謎めいてるところがたくさんあって。それをファンの人たちと一緒に探してるところがあるかも。

SOLI:コールをしてくれたらうれしいけど、私たちがライブするようになったのがコロナの時期だから、オタクさんたちもどうやってコールを入れたらわからないかもしれないよね。

MITSUKI:でもミームの曲って、他の王道アイドルさんみたいに、ガチ恋口上を入れるのはちょっと似合わないっていうか。コールとかがあんまり入らなさそうな曲たちがいっぱいあるなかで、「アニモア」みたいなハイパーポップな、ミームにしかない形に昔からあるアイドル文化のコールが入って新しいジャンルができてる。自分たちもオタクたちも一緒になって、みんなで試行錯誤しながら現場を作ってる雰囲気があって、あったかくて、熱くて、めっちゃカッコいいって思います。



ー今回のEPではグループの新曲が3曲と、ソロ及びユニット曲が4曲入っていますが、コロナの「その次」も見据えた、ミームトーキョーとしての新たな道しるべになる作品なのかなと思いました。まずはグループ曲の「SNSKILLER」について、この曲はどういった経緯で生まれたものですか?



MITSUKI:元々私がアイドルになる前から、作詞をしてくれた“だてぃが”ちゃんとSNSで繋がってて、お友達みたいな感じだったんです。TikTokで見つけて、だてぃがの曲で私もダンスをしてて。で、ミームに歌詞を提供してもらう前に、だてぃがちゃんのワンマンライブで私がバックダンサーとして踊ったこともあって。それから仕事で関わる機会が増えて、こうやってミームとだてぃがで一緒にできる機会が舞い込んできました。曲もけっこう強気で、女の子の強さが表現されてるというか。

SOLI:ミームの曲はだいたい強めなんですけど、今までの曲が“ブッつぶしたい”って感じだったら、「SNSKILLER」はちょっとカジュアル。ピョンピョンってゲームみたいな攻撃をする感じ。そういうところが好きですね。



—歌詞の言語感覚が独特ですよね。

NENE:自分たちのことをすごくよく見て歌詞を書いてくれたんだなって思えて、愛があってうれしいなと思いました。

SOLI:実際に私たちや私たちのファンのSNSとかをめっちゃ見て研究して書いてくれたらしいですよ。

NENE:ミームのオタクをめちゃめちゃ研究した結果“ハイボールより! (up)アイドルかな! (down)”っていう歌詞ができるのは、めちゃくちゃ面白い(笑)。

RITO:みんなお酒飲んでるのをめちゃくちゃ上げてるツイートを見られてるんだろうなって。そこも「SNSKILLER」だなと思って、カッコいいよね。

MEW:2番のサビが“バズの神様鏡よ鏡”なんですけど、振り付けの先生がずっと「バス」だと思ってて、振り付けがバスなんですよ。最終的には気づいたんですけど、そのときの振りがそのまま使われてる。

NENE:でも自分もずっと「バス」だと思ってた。

RITO:そうそう、NENEちゃんもずっと「バスの神様」って言ってた(笑)。

MEW:最初、バスの振り付けって言われたときに、「あれ? バス?」と思ったんだよ。マリカー的なゲームのことかなって思ってたけど、バズだった。

RITO:これめっちゃ笑った。

NENE:先生めっちゃ驚いてたもんね。

MITSUKI:お客さんも気づいてるのかな?

MEW:そこに注目してもらえたら面白いと思います。

SOLI:歌詞で好きなポイントが、サビの「buk✝」が十字架になってたり、「セーブポイント☆」に星がついてたり、「馬鹿なウケを狙ってIKill」が英語になってたりするところです。

—サウンドに関してはどうですか?

NENE:サウンドめっちゃカッコいいよね。途中の、妖怪みたいなところが好き。

MITSUKI:自分のパートになるんですけど、“頭使いすぎて溶けそうだ脳みそ”ってラップが、音源だとケロケロしたエフェクトがかかってて。ライブで聴くときと音源で聴くときの二通り楽しめるから、違いがあって面白いです。

—6人それぞれの色が出てて、キャッチーな曲ですよね。

RITO:メイクさんも覚えてくれて、たまに口ずさんでくれるから、頭に残るいいメロディなんだなって思います。

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