辻陽太が語る、ストロングスタイルとオリジナリティの探求で手に入れる「世界一」の称号

辻陽太(Photo by Mitsuru Nishimura)

2023年5月3日福岡大会「レスリングどんたく2023」、ある男の帰還に会場は大きな歓声に包まれた。その男の名は辻陽太。海外武者修行からの凱旋、そしてすぐにIWGP世界ヘビー級王者のSANADAへスピアーを介した宣戦布告。ベルトを高く掲げ、不敵に笑う彼の姿に新日本プロレスの未来を感じた人間も少なくないはずだ。6月4日大阪城ホール大会「DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL」では惜しくもSANADAに敗れたものの、彼はすでに先を見据えている。今後、新日本の顔になるであろうこの男は何を考え、何を実行しようとしているのか。「新日本プロレスを世界一の団体にする」と公言する辻陽太というプロレスラーの胸中に迫った。

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ー6月26日にトロントで行われたForbidden Doorは結果も含め、どのような感情でご覧になられましたか?

細かくは観てはいないですが、ひとつ気になったのは、IWGP世界ヘビー級選手権試合が第4試合に組まれていたこと。昨年のForbidden Doorもそう感じたんですが、結局、新日本プロレスはAEWに舐められているように感じますよね。



―そこに対してフラストレーションがある。

そうですね。結局、AEWの人間はAEWのことしか考えていない。新日本プロレスは使い駒でしかないんですよ。果たして、新日本はこの状況のままでいいのか、正直、とてもムカついていますね。

―新日本とAEWの間に上下関係が生まれてしまっている。

主導権を握っているのは、完全にAEWじゃないですか。トニー・カーン(AEW社長)も「日本で興行をしても利益にならない」と公言している。そんな状況なのにも関わらず、新日本の選手たちも楽しそうに「カナダに着きました!」とSNSで発信している。俺は選手の意識、会社の運営陣の意識も含めてどうなのかなと思っています。

―Forbidden Doorに乗り込んでいきたいというお気持ちはありましたか?

ないですね。俺がいまの現状で乗り込んだところでAEWの馬にされる。正直、まだ俺は世界からすると名の通っていないレスラーだと思っているし、出たところで「誰だ、こいつ」となって終わるだけ。正直に言いますけど、今はAEWには興味がないんです。

―まずは国内に集中し、IWGP世界ヘビー級王者になることをいちばんに考えている。

新日本の顔になってからでないと世界にはいけないと思っています。俺は、「新日本プロレスを世界一の団体にする」と公言していますけど、それを実現するためには俺がある程度力をつけないといけない。俺が発言して、みんなが賛同してくれるような力をまずは持たないといけないんです。世界に目を向けるのはそのあとなのかなと思います。

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