SANADAが語る、温故知新のプロレス観、ハイスタから授かった「魂(スピリット)」

SANADA(Photo by Mitsuru Nishimura)

新日本プロレスの至宝・IWGP世界ヘビー級のベルトを現在、腰に巻く、SANADA。彼がチャンピオンになるまでの軌跡には紆余曲折あったように思う。届きそうで届かなかった至宝。トライ&エラーを繰り返し、トップまで上り詰めた彼はG1 CLIMAX 33を直前に何を思うのか。飄々と受け答えするSANADAから感じるのは王者の余裕。新日本プロレスの新たなチャンピオン像を体現しようとする男の胸中に迫る。新日本プロレスの新しい景色はSANADAが私たちに見せてくれるはずだ。

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―Rolling Stone Japanはカルチャー誌なので、プロレスのお話をお聞きする前に、好きなカルチャーについてお聞きしたいなと思います。SANADA選手はパンクやメロディックコアがお好きだとか。

そうですね。主にHi-STANDARDしか聴かないという感じなんですが(笑)。

―先日、SATANIC CARNIVALに行かれたとお聞きしたんですが、それはもちろんハイスタをご覧になるために?

そうですね。やはり、ハイスタは僕が学生時代の頃からずっと第一線、スターで居続けてくれる存在というか。いまだに輝き続けているというのがすごいなと感じました。ライブを観ていても色褪せないし成長しているという表現が正しいか分からないですけども。



―常に更新を続けてるバンド。

常に生み出そうとしている、パイオニアというんですかね。自分はハイスタのことをパイオニアだと思ってライブを拝見しました。

―恒さん(恒岡章)の訃報があり、バンドとしても一大事だった中で「続ける」ということを言葉できちんとおっしゃっていましたね。

今後の自分の人生論を考えさせられました。続けることに意味があるのかなと。ライブではハイスタの生き様を感じたというか。悲しい出来事があっても辞めないでヒーローで居続けてくれるというのは嬉しかったです。



―人生論というお話が出ましたが、近年プロレス界では40代くらいまでにキャリアにピリオドを打つ選手も増えてきた印象があるのですが、SANADA選手の中ではご自身のプロレスラー人生をどう見据えていますか?

昔は生涯死ぬまでプロレスラーというのがカッコいいなと思っていたんですが、最近は第一線で出来なくなったら考えるかなと思います。新日本プロレスで言えば、IWGPのベルトやG1などで結果を残せなくなってきたら引退を考えるかなと。

やっぱり、自分がいちばんカッコいいと思った職業がプロレスラーだったので、ご覧になる方にもカッコいいイメージでいてほしいんです。だから、弱々しいところを見せたくない。もちろんいろんな役割があると思うし、戦い方を変えて続けている選手も大勢いますけど、そこは悩みどころだなと。

―そうですよね。自ずと世代が上がっていくと世代交代が起こり試合順も早めの位置に転換されていく。それがプロレスラーの生き方としてスタンダードな気がします。

しがみついてまでやりたくはないなと。しがみついている方を見るのは切なくなりますから。

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