J-POPの歴史「1996年と97年、フジロック誕生、新しい存在や流れの台頭」



1996年4月発売、松田聖子さんの「あなたに逢いたくて ~Missing You~」。作詞作曲ともに松田聖子さん、作曲は小倉良さんと共作なんですけども両方とも関わっている。シンガーソングライターになった。しかも、この曲は未だにキャリアハイ。一番売れた曲なんですね。80年代の松本隆さんがずっと書いてた当時よりも、この曲が売れてるんですよ。これは1人のアーティストのピークって意味では、やっぱり特筆すべきことでしょう。

聖子さんは62年生まれ。この曲が出たときには30代になってるんです。脱アイドル。10代にアイドルでデビューした人が、30代になって、シンガーソングライターとして書いた曲で、キャリアハイを残している。聖子さんっていう人は、やっぱりいろんな掘りがい、語りがいがある人なんだなと改めて思いました。

90年代っていうのは80年代の発展系でもあるんですね。全く変わってしまったわけではなくて、80年代にデビューした人が、新しい世界、新しい海を求めていって、いろんな結果を残してる。次の人もそうですね。96年5月発売、久保田利伸さんの「LA・LA・LA LOVE SONG」。



1996年5月発売、久保田 利伸 with NAOMI CAMPBELL「LA・LA・LA LOVE SONG」。これが年間シングルチャート3位。シングルチャート1位がMr.Childrenの「名もなき詩」、2位がglobeの「DEPARTURES」、3位がこの「LA・LA・LA LOVE SONG」。華のある曲だなと思いますね。

久保田さんがデビューが86年ですから、10周年の快挙だった。89年にベストアルバム『the BADDEST』で1位。ミリオンセラーを達成して、90年代に入ってずっと志向がアメリカに向いていくんですね。93年にアメリカに移ってしまって、95年にToshi Kubotaって名前で全米デビューしてる。NAOMI CAMPBELLさんは同じアパートの住人で、エレベーターの中であったんじゃなかったかな。向こうに拠点を移したからのお付き合いでこういうコラボレーションが実現したんですね。

松田聖子さんも2000年代に入ってアメリカでアルバムがクラブチャートに入ってますからね。90年代っていうのは多くの人が次へチャレンジしたいと活動してた。そんな時代なんでしょうね。90年代に誰もが思った音楽シーンの一つの夢が叶ったというふうに言っていいんではないでしょうか?

Rolling Stone Japan 編集部

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