新しい学校のリーダーズが語るサマーソニック、世界にはみ出していく4人の挑戦

環境とクリエイティブ面の変化

−振付は自分たちでやられてますが、他のアーティストの振りを参考にしたりするんですか?

RIN:私たちの曲は昭和歌謡もあれば、ロックもあれば、打ち込み系もあってバラバラなので、その曲ごとに参考になる動画をみんなでシェアして、「こういう感じ!」っていう共通認識を持った上で、振りを膨らませていくことは多いです。

MIZYU:明確なイメージが共有できていると、「これよりちょっと強めの振りかな」とか、すり合わせがしやすいよね。

KANON:4人で同じモチーフを共有すればするほど、「ああいう感じね!」っていう風に膨らませやすい。映画とか誰かのライブとか人の仕草とか、本当にいろんなものからインスピレーションをもらいます。

SUZUKA:『一時帰国』(今年4月リリースの最新EP)に収録されている昭和歌謡っぽい「乙女の美学」は、中森明菜さんが「DESIRE -情熱-」を歌っている動画を見て、そこで一緒に踊ってらっしゃったダンサー4人のテンション感とバランス感を参考にして振りを考えましたね。

RIN:あと、「青春を切り裂く波動」は間奏でオタ芸をやっていますけど、「オタ芸をやろう」って決めてすぐにKANONがいろんな動画を検索して、それを見て「オタ芸って伝統があるんだな」ってことを知ってから、「こう足を開いて、そのまま曲げないで内股ぐらいの気持ちでやるんだよ!」とか言いながら振りを付けていきました。



−海外でのライブが増えたり、「オトナブルー」がバズったりと、環境はどんどん変わって行ってますが、ライブとの向き合い方は何か変わりましたか? 少し前、SUZUKAさんは「リードボーカルとしてもっと歌を聞いてほしい」と言ってましたが。

SUZUKA:「歌を聞いてほしい」っていう気持ちの前に「いい歌を歌わなきゃいけない」っていう気持ちがあったので、最近の曲は歌に真剣に向き合った上で、「こいつ、気持ち良く歌ってるなあ」っていうことがお客さんに伝わってる実感がありますね。自分の声を大事に愛して、それが伝わっていけばいいなあと思います。

KANON:「乙女の美学」も歌を聞かせる曲だよね。

MIZYU:振付も昔よりは歌っている人がフォーカスされるようなものを心がけるようになったよね。昔は歌っている人が下を向いていたり、後方にいたりしたけど(笑)。踊りのアプローチも変わってきてるのかもしれない。

−歌を聞かせるところとアグレッシブな踊りで見せるところとのコントラストが絶妙ですよね。

MIZYU:踊りを見せるために踊りを削れるようになったよね。前は「踊りたいし歌いたい! 全部やりたい!」みたいな感じだったけど、良いバランスを考えられるようになってきました。

−『一時帰国』はサウンドがより幅広くなっていますが、どんなイメージで制作したんですか?

SUZUKA:日本人制作以外の候補曲もあったんですけど、結局日本人の曲だけのEPになりました。2021年にリリースしたEP『SNACKTIME』をLAでマニー・マークと一緒に作った経験とかがあったからこそ、改めてリーダーズが日本の音楽エンターテインメントのあるべき形を追求した作品だと思います。新鮮な気持ちで楽しく挑戦できた気がする。海外でも日本語の曲がちゃんと盛り上がることを知ったから、世界にはみ出す上で日本人らしさをより大事にしたいなって感じましたし。

RIN:海外デビューするきっかけも、88のCEOのショーン(・ミヤシロ)が「恋ゲバ」のパフォーマンスを見て好きになってくれたからで。その「恋ゲバ」を一緒に作ったH ZETT Mさんと「踊る本能001」を作れたし、「オトナブルー」を手掛けてくれたyonkeyさんともまた一緒にできました。加えて、さらにJ-POPとして挑戦をするために、初めてjon-YAKITORYさんや松隈ケンタさんとご一緒することもできて、日本らしさが詰まりに詰まってる感じがします。

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