モー娘。15期メンバーが語る、躍動と成長の理由

コロナ禍を経て

—コロナ禍の約3年間があったことで、成長した部分もあると感じますか?

山﨑:「表情が大人っぽくなったね」とか「いろんな表情ができるようになったね」って言ってもらえることが増えました。声が出せないときはしっとりめのバラードとか、あまり笑わないクールな曲もやっていたので、そういうところで表情の表現の幅が広がったんじゃないかなって思います。それが今にも生きてて良かったです!

北川:15期とアンジュルムの橋迫鈴ちゃん、Juice=Juiceの工藤由愛ちゃんと松永里愛ちゃんが同期の世代なんですけど、そこが一番、いろんなコンサートを経験できた世代だなって思ってて、その経験を強みに生かせてると思いました。通常のコンサート以外にも、新メンバーが初めてハロコンに出たときにみんなで自己紹介をしたり、初参加もやり遂げた中でバラードをやったり、ハロー!プロジェクトのグループをごちゃ混ぜにしたり……。他のグループの先輩から学べることもたくさんありましたし、先輩方が経験してこなかったであろうコンサートを、加入してからの1〜2年でたくさん経験できました。あと“花鳥”と“風月”に分かれて、それぞれ歌とダンスを専門的に突き詰めることもできましたし、そういうところでもこの時期に入れて良かったなって思います。自分もコロナ禍でパフォーマンスに対する意識が変わったし、少人数制のイベントが増えたことで先輩と深く関わることもできて。パフォーマンスについての考え方や、どういう風に普段研究しているのかを聞けて、私は良かったなって思います。

—最近のライブを見ると、北川さんの歌唱力の安定感が凄いなと思っていて。歌唱に対する姿勢も変わってきましたか?

北川:加入してから、長い目で自分がどうなりたいかをずっと考えてて。1年目はここまでを目標にしよう、2年目はこうなろうっていうのを、加入当初から考えていたんです。以前はリズムが得意じゃなかったので、とりあえずバラードを突き詰めて曲の表現を学ぼうと思って、いろんな先輩から吸収して真似したり、家で踵(かかと)をつけないでリズムを刻む練習をしたり、そういうのを2、3年かけてコツコツ練習してきて、今やっとこれまで培ってきたものが報われ始めてきたかなって思ってます。その姿勢は先輩の佐藤優樹さんから学ぶことが多くて、(佐藤さんの)昔のライブ映像とか、今やられてるソロを見て、そこから学んだことを自分にどう落としていくか研究しています。



—日々そうやって意識しているからこそ、フィードバックも自然とできてるんですね。

北川:そうですね。自分の現状を知って目標を立てることを定期的にやるようにしていました。3カ月に1回くらい、だいたい1ツアーが終わったくらいで振り返って、「次のツアーはこうしていこう」とか、「今度こういう歌い方でレコーディングしてみよう」とか。一番試行錯誤してたのは2020〜21年くらいで、今はそれを経て自分なりの歌い方を確立できましたし、割と満足いく声が出せるようになってきました。でもまだまだです。



—岡村さんは昨年のインタビューで、「私にしかできないこともあると信じながら、譜久村さんたちが一番上の代にいらっしゃってくださるうちにたくさん教えてもらって、後輩が入ってきた時に教えられるようにするのがお仕事だなと思います」と話してくれましたが、今はどのように考えていますか?

岡村:コロナ禍で、ハロー!プロジェクトの皆でいろんな企画に挑戦したじゃないですか。初めてやることが多くて、求められてるものが難しくて、私的には悩む時もあったんです。モーニング以外のグループの曲も覚えなくちゃいけなくて、頭の中がいっぱいいっぱいになってきて。だけどだんだんモーニングの活動が以前のように増えてきて、去年あたりからパフォーマンスをすること自体がより楽しくなってきたんです。歌い方とかリズムとか、考えなきゃいけないことはもちろんあるんですけど、楽しいが勝つんですよ。楽しいときが一番自分は輝けるって思うし、楽しいのって見てて伝わるじゃないですか。他のグループのライブを見てても、「この子、楽しそうにやってるな」とかって伝わるんですね。そうするとファンの皆さんも楽しい気持ちになってくれるかなって思うので。

—武道館もめちゃめちゃ楽しそうでした。

岡村:楽しいって言葉でしか表せないんですけど、あの空間が素直に楽しかったです。「自分、ここで輝けてるな」とか、「生活している中で今が一番笑ってる時間だな」とか。そういうことを考えたときに楽しい気持ちになれたし、それって素敵なことだと思うので、後輩にもそういうふうに思ってもらいたい。考えることはいろいろあると思うんですけど、楽しくやってほしい気持ちが強いです。

—楽しい気持ちがあると、自分の歌唱やダンスにも影響はありますか?

岡村:あると思います。私は一回失敗すると、「ここ絶対失敗する」って思っちゃうタイプなんですけど、そういうのって表に出るじゃないですか。でも楽しいとやる気がみなぎるというか、踊ってて全然違うなって。それはファンの皆さんが一番分かってくださるんじゃないかなって思います。


Photo by Rika Tomomatsu

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