Soul Gloが語る、絶対に知っておくべきハードコア最重要バンドの哲学と成長過程

 
最新アルバムでの覚醒、パンクから学んだこと

Soul Gloは『Diaspora Problems』で、様々なジャンルが溶け合ったバンドの音楽的言語から生み出されるアイデアの数々を具現化してみせた。攻撃的な音楽に惹かれる理由についてジョーダンに尋ねると、実際に診断されたわけではないものの、自分はおそらくADHDを患っていると語った。「常に気持ちが昂っているんだ。攻撃的な音楽は、自分のそういう部分に訴えるんだと思う」と彼は語る。父親はジョーダンのいう「忙しないジャズ」を好んでいたが、彼自身はシステム・オブ・ア・ダウンやリンキン・パークとの出会いによって人生が大きく変わった。「大人が大声で叫んでいるのを聴いて、自分の中の何かに火がついた」と彼は話す。「両バンドにとっての『ジャンル』は、自分を惹きつける異なる要素を組み合わせて新しい何かを生み出すことなんだよ。俺はそれこそが音楽の意義だとずっと思ってる」




その後、デスメタルやハードコア、そして『Diaspora Problems』に見られるあらゆるスタイル(同作では故ポップ・スモークと故ジュース・ワールドへのシャウトアウトが見られる)の発見を通じて、彼はあることに気がついた。それは「ヘヴィであること」はジャンルとは無関係だということだ。ジェームス・ブラウンのシャウトや、1975年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのエタ・ジェイムズの「I’d Rather Go Blind」に、ジョーダンはヘヴィネスを感じるという。彼は幸運にも、そのビジョンを共有できるバンドメンバーと巡り会うことができた。

ミュージシャン、そしてリリシストとしてキャリアを重ねる中で、彼はそれまでとは異なる考え方をするようになったという。2000年代の後半にジョブ・フォー・ア・カウボーイやスーサイド・サイレンス等のデスコアのバンド(後者の見た目はエモの要素が強い)を知った時、彼の友人たちはその音楽を「ゲイ・メタル」と呼んでいたという。「髪がふわっとしてるとか細身のパンツを履いてるってだけで、そのバンドは曲がどれだけヘヴィでも『ゲイ』だとみなされてた」と彼は話す。「同性愛者嫌悪について知るまでは、俺自身もその一人だった。今となっちゃクソ笑えるけどね、俺自身がディスられる側になったわけだから。でも、異なるタイプの音楽やミュージシャンについて何気なしに同性愛嫌悪や人種差別ともとれる発言をしてたやつらも、世界と一緒に少しずつ変わってるんだよ。社会を変えようとするいくつものムーヴメントから学んで、俺らも人として成長してるんだ」

ジョーダンはDIYのパンクシーンを通じて、どんなことでも達成できるということをバンドメンバーと共に学んだという。「音楽は世界の縮図みたいなもんなんだよ」と彼は話す。「大衆が買ったり売りつけられたりしているものに惑わされずに、ますます多くの人々が本当の自分を見つけようと格闘し始めてる。ハードコアを好きになる人の数も増えてるけど、それは馴染みのないジャンルで新鮮だからというだけじゃなくて、他の音楽には見られないメッセージや感情をそこに見出してるからなんだ。バンドに興味があるやつは、今すぐ始めるべきさ」と彼は付け加えた。「自分自身を理解し、他人から理解されたいと思っているなら、とにかくやってみればいいんだよ」

From Rolling Stone US.





Soul Glo JAPAN TOUR 2023

2023年10月26日(木)京都・磔磔
サポート・アクト:LASTEND

2023年10月27日(金)大阪・LIVEHOUSE ANIMA
サポート・アクト:TIVE

2023年10月28日(土)名古屋・新栄シャングリラ
サポート・アクト:Some Life 

2023年10月29日(日)神奈川・横浜B.B.street
サポート・アクト:tatara

2023年10月31日(火)東京・渋谷クラブクアトロ
サポート・アクト:SHAPESHIFTER

公演詳細:https://smash-jpn.com/live/?id=4003

Translated by Masaaki Yoshida

 
 
 
 

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