メタリカのラーズ・ウルリッヒが語る、還暦目前の現在地とハードロックの現状認識

メインストリームど真ん中の存在ではないのも事実

ー1989年に初めてグラミー賞にノミネートされて以来(メタルバンドではないジェスロ・タルがメタル部門で受賞し波紋を呼んだ)、リリースしたほぼすべてのアルバムがチャートの首位を獲得しています。当時と比べて、ヘヴィミュージックに対するメインストリームの認識は変化したと感じていますか?

ヨーロッパとアメリカでのチケットの売り上げに限って言えば、この夏は新記録を打ち立てたんじゃないかな。42年間活動してることを考えれば、マジで信じられないことだよ。その一方で、ハードロックはもうメインストリームではなくてサブカルチャーになっていると思う。

MTVやAOR系のラジオ局、それにローリングストーンやKERRANG!等の雑誌が中心だった80年代は、ハードロックが今よりもメインストリームに近い位置にいた。俺たちが記録した数字は誇るべきものだし、ガンズ・アンド・ローゼズやスリップノット、ゴースト、ディスターブドなんかもすごく売れてるけど、メタリカが活動を始めた頃と比べれば、ハードロックがメインストリームからは外れたサブカルチャーになっていると感じる。

俺が20〜30年前のようにシーンを正確に把握できているかどうかは怪しいし、正直以前ほどメインストリームにこだわらなくなってもいる。ハードロックが今でも多くの人々に支持されていることは確かだけど、俺たちがもう時代を象徴するメインストリームど真ん中の存在ではないこともまた事実なんだよ。

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from Rolling Stone US

Translated by Masaaki Yoshida

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