YOSHIKIが語る、THE LAST ROCKSTARSに込めた「想い」と「願い」

“このステージが最後かもしれない”という気持ちで叩いている

ー結成から嵐のような毎日を過ごし、ライブもみっちり2時間半、ソロ、アンコール含め20曲近く披露されて、YOSHIKIさんも「もう首がこれでダメになるかも」みたいなことをツイートしていましたが、体調面はどうだったんですか?

YOSHIKI 一応、叩き方的には気をつけているんですよ。無謀なヘッドバンギングはしていないです。ただ、これはこのバンドに限らずいつもそうなんですけど、“このステージが最後かもしれない”という気持ちで叩いているんです。それで、ライブ後には“ああ、また生き延びてしまった”と。僕がドラムを叩けるのはあと5回なのか、50回なのか。多分三桁ということはないと思うんです。そんな感じで、どこかで終わるんだろうなとは思っています。

ーそのくらいの覚悟でやっている、と。

YOSHIKI もちろん、すごく鍛えていますし、食事、トレーニング、医者の指導……やれることは全部やっています。身体をむやみに痛めつけているわけではなくて。でも、ステージでは最高のものをファンのみんなに見せたいし、メンバーにも最高のドラミングを見せたいので、本当に、冗談抜きで死ぬ気でやっています。

ーその気合いは見ている側にもビシビシと伝わってきます。今回のライブでは、各メンバーのセルフカバーも何曲か披露されていましたよね。X JAPANからは「Beneath The Skin」と「BORN TO BE FREE」、ピアノソロでは「紅」(LA公演では「ENDLESS RAIN」)が披露されましたが、この選曲の意図は?

YOSHIKI 「Beneath The Skin」は、昔S.K.I.N.で組んだ時にもやっていて、SUGIZOが作曲、僕が作詞で、ある意味このバンドの原型みたいなものなので入れるべきではないかと。「BORN TO BE FREE」に関しては、どの曲をやろうかと考えた時、何となく感覚的にX JAPAN色があまり強くないX JAPANの曲を入れようと思ったんです。それで、いろいろ悩んでこの曲にしました。例えばそこで「Rusty Nail」とかだとちょっと違ったかなと。けっこうバランスを考えました。

ー本当に絶妙なバランスだったと思います。このバンドが始まった時、SNSなどではそれぞれ所属しているバンドがどうなっちゃうんだろう?と心配するファンの声も見られましたし、ファンの心情的には知っている曲をやってくれたらうれしいけど、たくさんやられたら寂しいという気持ちもあるのかなと思ったんです。

YOSHIKI おっしゃる通りですね。何が正しいというのはないと思うのですが、そのなかでも一応いろんなことを考えて作られているセットリストではあったんじゃないかと思います。

ーアメリカではニューヨークとロサンゼルス、3公演ありましたが、バンドへの反応、手応えはいかがでしたか?

YOSHIKI 日本でもアメリカでも、僕らのことを知ってくれていた方たちが多く来てくれていたと思うので、アウェイな感じはまったくなかったですね。温かく見守られているというか。これからもっとキャパシティの大きいところだったり、アウェイなところでやった時にどれだけオーディエンスの心を掴めるかということだと思います。

ーその場合、各メンバーの今までの物語がまったく通用しないオーディエンスもいるわけですからね。

YOSHIKI そういう時こそ爆発するかもしれないですよ、僕らの力が。これまでもメンバー個々が世界という荒波に揉まれてきていますし。逆に楽しみです。


YOSHIKI Photo by @ogata_photo, Styling by Yasuhiro Watanabe (7B), Hair and Make-up by Takaki Toshihiro (SEED&beauty)

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