ミコラスが語る、YouTube発ヒット曲「Lalalalalalalalalala」の制作舞台裏

曲作りはセラピーの一種

「Boys Don't Cry」の歌詞に「涙は自分の中に隠せるようになったから振ればいい」という描写があったり、「Never Get Over You」の歌詞に「認めたくないけど君のことが忘れられない」という描写があったり、「Delilah」には「毎朝起きると君の亡霊がいる」という描写があったり、あなたの楽曲にも「Lalala~」にも通じる未練を感じさせる失恋ソングが多くあります。それはどうしてだと思いますか?

ミコラス:さっきもお話ししたように、曲作りはセラピーの一種なんですよね。何かが起きた時に、曲を書くことで自分の感情のひとつの章に区切りを付けられる。僕は曲を作ることができるからこそ、ちゃんと人生を送ることができているんじゃないかって思ってます。もちろん仕事でもあるんですが、曲を作っていなかったら気が変になっていた気がします(笑)。

ーそうなんですね(笑)。曲を作る時に大事にしていることは?

ミコラス:最初にコードを決めることが多いです。コードが決まったら、曲のコンセプトを考え始め、メロディを考え、コーラスが生まれて、バースを作って最後はブリッジ。「Lalala~」は3ヵ月かかりましたが、「Delilah」は完成するまで3年かかりました。曲と向き合う度に新たな扉が開くような感覚があって、別のアイディアがどんどん生まれてきたんです。「Delilah」は納期の2日前に8割書き直しました。

ーOK/NGのジャッジポイントはどういうものなんでしょう?

ミコラス:曲はいくらでも改善できると思ってるので、僕の気持ちの上では100%の完成はありません。「まだ作ってていいよ」と言われたら、いくらでも作り続けたいんです。2017年から書き始めて、未だに完成していない曲もあります。だからフィーリングで「もうOKかな」と思ったところで完成にする。例えば、ライブでアレンジを変えるアーティストも多いですよね。あれはそこでまた新たなアイディアが出てくるからだと思うんですが、それにも通じるのかもしれません。

「Delilah」はラテンやEDMからの影響が感じられますが、どんな音楽やアーティストが好きなんでしょう?

ミコラス:「Delilah」はおっしゃる通り、様々なジャンルをミックスした実験的な曲です。様々なジャンルが掛け合わさることで生まれる新しさに僕も興奮したし、聞いた人にも興奮してもらえたんじゃないかと思っています。僕が作る楽曲には、その時々の僕がハマっているサウンドがヴィヴィッドに反映されます。昔からずっと好きなのは、クイーンやフィル・コリンズ、TOTO、マーヴィン・ゲイなどです。比較的新しいアーティストだと、スクリレックス、DJのフレッド・アゲイン、ストームジー。ストームジーの今年のグラストンベリーのライブはとてもかっこよかったです。ストームジーと最近「Witness Me」でコラボしたジェイコブ・コリアーとショーン・メンデスも好きです。「Witness Me」はどこかクインシー・ジョーンズ的な雰囲気があって最高だと思いました。ジョングクも好きです。最近リリースした「Standing Next to You」はクインシー・ジョーンズっぽさがありながら、ブルーノ・マーズ的なベースラインが入っていて素晴らしいと思いました。



ー2024年3月22日にデビューアルバムのリリースが予定されています。どんなアルバムになりそうですか?

ミコラス:僕は曲作りに時間がかかることもあって、ようやくアルバムが出せることに興奮してます。このデビューアルバムに向けて、これまで活動を積み重ねてきたと思えるほど、嬉しさを感じる作品です。やはりいろいろなジャンルが混ざっていて、そういう面ではクイーンやポスト・マローンを思わせるところがあるかもしれません。現時点での僕にとってベストな作品になっていることは間違いないので、皆さんに早く聴いてもらってリアクションが欲しいですね。


Photo by Harriet Marshal

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「Lalalalalalalalalala」
ミコラス
配信中
https://avex.lnk.to/lalalalalalalalalala

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