THE LAST ROCKSTARS、互いを刺激し合いながら魅力を高め合う「孤高」のスターたち

THE LAST ROCKSTARS The 2nd Tour 2023“PSYCHO LOVE”

2023年11月21日から23日まで、THE LAST ROCKSTARSが、二度目となるツアー「THE LAST ROCKSTARS The 2nd Tour 2023“PSYCHO LOVE”」を東京・有明アリーナで開催した。YOSHIKI(Dr, Piano / X JAPAN)、HYDE(Vo / L'Arc-en-Ciel、VAMPS)、SUGIZO(Gt, Violin / LUNA SEA、X JAPAN)、MIYAVI(Gt)という、数多くのバンドキッズとファンが一度は妄想したことがあるであろう、最強の布陣を成すモンスターバンド。日本に収まりきることなく、世界にも飛び出して輝き続けるスターたちへの期待の大きさは、開演前の会場周辺や内部の熱気からも十分に伝わっており、中国語圏や英語圏のファンも多く、世界で活躍するメンバーの人気ぶりが伺えた。ここでは22日のレポートをお届けする。

【写真をすべて見る】THE LAST ROCKSTARSのステージ

定刻を20分ほど過ぎると場内が暗転し、神々しい雰囲気のオープニングの中でメンバーが登場してステージが幕を開けた。オープニングナンバーはツアータイトルでもある「PSYCHO LOVE」からスタート。エレクトロなリズムとYOSHIKIの激しいドラミングプレイの土台の上で、MIYAVIのキレとグルーヴが全開のギターサウンド、そしてSUGIZOの悲鳴のように切り裂く独特のギターサウンドが混ざり合った、壮大かつ踊らせるナンバーであり、序盤から会場はもちろん、HYDE含めたステージ上のフロントマン3人も躍らずにはいられず、ステージを所狭しと走り回る。火柱が立て続けに上がる豪華なステージングも相まって、バンドのスケールの大きさをまざまざと見せつけるような立ち上がりとなった。「Tokyo!! We are THE LAST ROCKSTARS!!」とHYDEが叫ぶように挨拶をかますと、続けて「6or9」、「Here’s The Love」ではオーディエンスとの掛け合いでさらに盛り上がりを見せ、ステージ上でもフロントマン同士の絡みが生まれ、メンバーの公演へのテンションの高まりを感じさせた。



曲間にはHYDEのMCで「今日は何の日か知ってる? 知らないの? YOSHIKIさんの誕生日の次の次の日だよ! ややこしいから、誕生日ってことでお祝いしませんか!」と笑いを誘いつつ、会場から「おめでとう」の声を誘い、和やかに一体感を生み出していく。続けて、MIYAVI作の新曲「Tonight, The World Is Mine」を会場へプレゼント。それまでのナンバーよりも疾走感が溢れる爽やかな曲に、HYDEも会場も手を左右に振って軽やかにノっていく。それぞれのキャリアから考えると、まだTHE LAST ROCKSTARSは結成から日が浅いため、発表する曲が全て新鮮さを伴っており、次はどんな曲を世に送り出すのかと次はどんな曲を演奏するのかと楽しみにさせられていく。

MCでは、YOSHIKIが「僕はファンの皆、そしてMIYAVI、SUGIZO、HYDEになんと感謝したらいいんだろうと思うくらい精神的に救われています。僕らはステージに立たせてもらっているけど、立たせてもらっているからにはこの身を粉々にしてでも皆と音楽をシェアしたいと思っています。次の曲は、元々SUGIZOが作って来たんだけど、僕らが垣根を越えて集まれる、壁を壊してロックスターたちが集まれる原点になっている曲です」とS.K.I.NからX JAPAN、そしてTHE LAST ROCKSTARSへと引き継がれるナンバー「Beneath The Skin」を披露。YOSHIKIのピアノアレンジから、緩急を盛り込んだ重厚感のあるロックサウンドへの展開を白と青に照らされるステージでドラマチックに彩り、前半戦は終了した。

ソロコーナーではMIYAVIとSUGIZOによる、バトルのような展開から、徐々に背中を預け合うように溶け合っていく熱いギターセッション、そして空間系のエフェクトを巧みに盛り込んだ、SUGIZOという音楽家の原点とも言えるバイオリンのソロ、HYDEを交えての「Folly」、さらにMIYAVIも加えて「Hallelujah」の披露を経て、YOSHIKIによるドラム&ピアノソロセクションへ。怒涛の嵐のようなドラムプレイを終え、ピアノの鍵盤に手を置いたYOSHIKIからX JAPANの名曲「ENDLESS RAIN」が演奏されると、先般のHeath (X JAPAN)の訃報に傷ついた感情をこらえきれない会場から自然と大合唱が巻き起こる。ステージ上のYOSHIKIと自分たちを慰めるような、ファンの思いと皆の心の傷を理解するようなYOSHIKIの思いが演奏に溢れた一場面となった。

感傷に浸る間もなく、続けてYOSHIKIが「まだいけるか? いけるだろ! スクリーム!」と何度も叫ぶ。そして、メンバーをステージに招くとともに、スペシャルゲストのPATA(X JAPAN)をメンバー一同のハグで迎え入れ、会場からは大歓声が上がる。YOSHIKIが「俺たちTHE LAST ROCKSTARSは、バンドの垣根を、全ての壁をぶち壊すために集まった。今日はまたその垣根をぶち壊していく! 気合い入れてくぞ!」と盛り上げ、先ほどまでのムードとは打って変わって激情を激しく渦巻かせるように「Rusty Nail」を披露した。演奏後は、「こんなところに迷い込んじゃってすみません(笑)」とゆるく話すPATAとともに、全員でステージ上の階段に腰掛け、自然な様子でトークへ。それぞれとPATAとの出会いを語り、そんな姿を、前方に移動して眺めたYOSHIKIは「まるでテレビを観ているみたい!」とピュアなコメントを残して笑いを誘う場面もあり、ライブの緩急のギャップが魅力的に映った。



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