Novel Core、claquepot、Ayumu Imazu、ざきのすけ。 同じ「希望」抱える表現者たちの祝祭

身体を揺らすclaquepot、コラボ曲初披露のNovel Core & THE WILL RABBITS

「いつも来てくれてるみなさん、ありがとうございます。そして今日は初めましての人だらけな気がするんですよ。2023年、知ってよかったアーティストランキング上位にノミネートします、claquepotです。よろしくどうぞ」と堂々と挨拶してから自らのステージを始めた、claquepot。「useless」、「choreo」と、claquepotらしく身体揺れるグルーヴの中に本音をそっと忍び込ませる。「身体は温まりましたか? 次は声を出すということをやってみたいと思います」という言葉から始めた「ahead」では、“進め”とオーディエンスの声に自身の声も重ねて、この場に集まった人たちの背中をそっと押すかのよう。「最高じゃん、僕が想定していた832倍盛り上がってます」という言葉もこぼれる。「選択肢が自分の未来を分けていくのだと思ってます。僕も悔しい想いをしたことがある。みんなもマイナスな選択肢をとってほしくないという気持ちで書いた曲」と語りかけてから「hibi」、オーディエンスの腕が左右に揺れてZeppDiverCityのフロアを絶景に塗り替えた「ターコイズドリップ」、そして「ほかほかの状態にしてNovel Coreに渡そうと思います」からの「blank」で会場のテンションは最高潮に。最後は「この4人を掛け合わせてくれたRolling Stone Japan、最高じゃないですか?」などの煽りから、「claquepotのライブ、最高じゃないですか? って聞くまでもなくない?」でタイトな音で締めるとともに暗転。こんなクールなステージの終わり方があるのか。claquepot、さすがスターグループ・Da-iCEの双子の兄である。


claquepot(Photo by Kazushi Toyota)


claquepot(Photo by Kazushi Toyota)



そしてバトンを受け取った、Novel Core & THE WILL RABBITS。マイクのサウンドチェックから会場を笑わせるエンターテイナーがトリを飾る。“走り続ける 俺らは rolling stone”というフレーズのある最新曲「No Way Back」からスタートさせて、「BABEL」へと続き、冒頭からすべての人たちを音楽でかき混ぜていく。今年「完全ボーダーレス」をテーマに対バンツアーを行ったNovel Coreだが、多彩なジャンルも、生活スタイルや趣味嗜好が異なる人たちも、背負って率いていくのがNovel Coreだ。「A GREAT FOOL」ではハウスバンド・THE WILL RABBITSのクマガイユウヤによるギターソロが炸裂し、数々のレジェンドギターヒーローたちの魂が浮かぶようなその佇まいも最高に美しい。そこから「独創ファンタジスタ」「BYE BYE」「WAGAMAMA MONDAIJI」と休む隙を与えず盛り上げていく。Novel Coreにとってもこの日が2023年最後のライブ。来年は年明けから武道館単独公演(すでにソールドアウト)に、MAPPAのオリジナル新作アニメ『ぶっちぎり⁈』主題歌、テレビアニメ『キングダム』エンディングテーマなどが決定しており、さらなる飛躍の1年となること間違いなし。来年の年末にはどんなステージに立っているだろうか。きっと想像を超えてくるはずだ。


Novel Core & THE WILL RABBITS(Photo by Kazushi Toyota)


Novel Core(Photo by Kazushi Toyota)





Novel Coreのステージではclaquepot、Ayumu Imazuも混ざり合った。claquepot「blue print feat. Novel Core」はイントロの1音が鳴った瞬間に大歓声が湧き起こるほど、両者のファンがライブでの初歌唱を待ち望んでいた一曲。それぞれの自分自身の意志や本質を守り貫く強さが音楽の上で重なり合った瞬間だった。そしてイベント最後には、現在TikTokにて一部先行配信中のNovel CoreとAyumu Imazuによるコラボ曲「ex」を史上初披露。Ayumu Imazuにとっては新たな歌唱法が引き出されている一曲で、Novel Coreにとっては「Instagram」や「LINE」といった現代的なワードも使われた他に類をみないティーンポップに仕上がっているので、フルバージョンのリリースを楽しみにしていてほしい。


Photo by Kazushi Toyota


Photo by Kazushi Toyota


Photo by Kazushi Toyota

現在の音楽シーン全体を見渡すと、「ジャンル」という枠組みが溶けつつあるようにも思うが、Ayumu ImazuとNovel Coreの対談でもトピックに挙がった通り、まだまだ区切られる場面ことが多いことも事実。これからもJUICEでは、音楽や人間を表面上でカテゴライズしない空間を、同じ希望を抱える表現者たちとともに作り上げていく。

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