シェネルが語る、夫婦の関係性 新曲「SOS」にかけた思いとは

―そういったことは昔から思っていたことなのか、それとも年を重ねるうちに確信を得たのか、どちらなんでしょう?

シェネル:もともと感情豊かな子供ではありましたが、そこを意識的に伸ばそうという家庭ではありませんでした。だから「どうやってこの溢れる気持ちを昇華すればいいんだろう?」と思っていた中で、音楽で感情を伝える方法と出会いました。そのやり方はすごく自分に合ってたんです。

ー「SOS」の歌詞を書く上で参考にした実体験は何かありましたか?

シェネル:ドラマでは夫婦間の隠し事が描かれています。夫婦でも親子でも恋人でも、近い関係性の人間同士には何かしらの問題が生じます。相手に対して何か思うところはあるけれど、それをどう伝えてもいいのか、どんな伝え方をするのかという悩みは大なり小なり皆さん経験されていると思います。私は結婚してから10年が経ちますが、その間夫婦の関係性はだんだん変わっていきました。一時期私も夫も仕事で世界中を飛び回っていて、全然会う時間がありませんでした。それについて「お互いにキャリアを積み上げていて、一緒に成長できていて素晴らしいよね。これが私たちに合ったライフスタイルだよね」という風に認識していたんです。



でも会わない時間が続くと、コミュニケーションが断絶してしまう。人間はどんどん変わっていくところもあるので、2~3週間ぶりに会った時に、「あれ、こういう人だっけ?」と違和感を覚えました。それは辛いことですし、自分が思っていることを夫に伝えるかどうか悩んだんです。「伝えたら関係性が悪くなってしまうんじゃないか」とかいろいろと考えてしまった。結婚をしたことがないので、そういう状況に陥ったのは初めてなわけです。そこで私は二人で話すのではなく、セラピストを通してお互いの思っていることを伝えたり、アドバイスをもらうやり方を思いついたんですが、それを夫に相談するのも怖かった。「セラピストなんて必要ない」と言われるかもしれないし、「僕は何の問題もないと思っているのに」と言われてそこで話が終わってしまうかもしれない。はっきり白黒つけられる問題でもないので、割と長い間悶々としていました。そういう自分も嫌でしたし、勇気を出すのに時間がかかりました。ただ、その問題があったことで私たち夫婦は成長できたと思っています。

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