シェネルが語る、夫婦の関係性 新曲「SOS」にかけた思いとは

ーネットの普及により、SOSを上げて多数の人に伝える機会は作りやすくなった一方で、ともすれば真意とは違う形で拡散されてしまうこともあります。今を生きる人たちがあげるSOSということについてどう考えますか?

シェネル:ネット上で発言しても自分の知らない不特定多数の人に対して、一部しか伝わらないことが多いので、私が「SOS」で伝えたいこととは別ものだと思っています。思いの対象である相手に伝えることが重要だと思います。直接でもいいし、メールでも手紙でもいいし、曲でもいい。社会的なメッセージをSNSを使って発信していくことは素晴らしいと思いますが、私が「SOS」で伝えたいのは、自分自身のパーソナルな思いを直接相手に伝えるというコミュニケーションです。



―シェネルさんは今はオーストラリアのパース在住ですが、マレーシアで生まれ、オーストラリアで育ち、LAを拠点にしていたこともあります。複数のルーツを持っているからこその強みをどう捉えていますか?

シェネル:複数のルーツがあるのはまさに私の強みだと思っています。どれだけの人が様々な国や地域に行くことを重視しているかはわかりませんが、個人的にはそういった経験はとても重要です。長く住まなくても、一定期間滞在することによって、型からはみ出ることができ、考え方が柔軟になる。視野が広がり、新たな学びに繋がることもあります。もし何らかの理由で実際にどこかに行くのが難しいのであれば、今はネットで手軽に様々な文化に触れることもできますよね。

―オーストラリア出身のアーティストは日本でも活躍していて、昨年はコーディ・ジョンが初来日し、SIRUPとコラボ曲を発表しましたが、オーストラリアの音楽シーンをどう見ていますか?

シェネル:ずっと昔から活躍しているデルタ・グッドレムやジェシカ・マーボイは未だに第一線で活動しています。ジェシカ・マーボイは本当に素晴らしい声の持ち主です。また、ガイ・セバスチャンは革新的な作品を出し続けています。たくさん素晴らしいアーティストがいるので、私ももっといろいろなことを学んでいきたいです。

―日本のアーティストの中では、以前MIYAVIさんとコラボされていましたが、今コラボしたい日本のアーティストはいますか?

シェネル:これまでやったことのない方向性のコラボをしてみたいと思っています。以前、BE:FIRSTのラジオに出演し、RYOKIさんに英語でインタビューをされたことがあります。その共演がきっかけでBE:FIRSTの存在を知り、私もご一緒したことのあるトラックメイカーのSUNNY BOYさんとBE:FIRSTが繋がっていることもあり、強い刺激を受けました。彼らのようなボーイバンドとコラボすることができたら、これまでにない表現ができるのではないかと期待しています。


Che’Nelle (シェネル)
マレーシア出身のアーティスト、ソングライター。オーストラリア・パース在住。2007年、米メジャー“キャピトル・レコーズ”より世界デビュー。日本では ヒット曲「ベイビー・アイラブユー」 「ビリーブ」「Happiness」などのヒット曲で、マルチ・プラチナ・ディスクを獲得し、「ラブソングのプリンセス」と呼ばれた。映画「ブレイブハーツ海猿」、TVドラマ「ディア・シスター」等の主題歌を担当し7つのゴールドディスク賞を受賞。出産や育児を経て、2023年12月には、6年ぶりとなる日本語詞の楽曲「I AM」をリリースし、日本での活動を本格的に再開。


Digital Single
『SOS』


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