モトリー・クルーが語る新曲「Dogs Of War」制作秘話、日本のファンへのメッセージ

「今この瞬間を生きろ」日本へのメッセージ

─楽曲クレジットを拝見すると、バックボーカルにデレク・デイ(クラスレス・アクトのシンガー)とデクスター・ホーランド(オフスプリングのシンガー)の名前があります。2人が参加した経緯は?

トミー:それほど大袈裟な経緯があるわけでもなくて。彼らとはもともと友達で、彼らもボブ・ロック(※「Dogs Of War」のプロデューサー)と仕事をしていて、たまたま同じ時期にロスにいたんだ。ちょうど“Gang Vocal”(※モトリー・クルー特有の力強いバックボーカル)に厚みが欲しいと思っていたところだったので、「スタジオに来て歌ってくれよ!」と誘ったら2人とも参加してくれたってわけ。

─モトリー・クルー の楽曲における“Gang Vocal”は、いつも本当にカッコいいですよね。

トミー:あれがなきゃ始まらない。必須だな。

─もともと彼らにはどういう印象を抱いていましたか?

トミー:結構前からの付き合いで、俺よりもニッキーのほうが昔から知ってたかもしれない。2人とも気の合う仲間だよ。

─ミュージックビデオもモトリー・クルーらしさが強く打ち出された、遊び心に満ち溢れた内容です。ビデオの仕上がりに関してはいかがですか?

トミー:みんなに観てもらうのが待ちきれないよ。この曲の世界をさらに広げてくれているし、ぶっ飛んだ感じのアニメーションのビデオというのも、俺たちにとって初めての試みだしな。これは、俺がSmearballsというアーティストとコラボをしたのがきっかけで、彼と「Bouncy Castle」という短編映像を一緒に作ったんだ。彼が映像を作って、俺がそれに音楽を付けたっていう。ただ面白いと思ってやっただけなんだけどね。で、今回「Dogs of War」のビデオをどうするかって話になったとき、実はニッキーから「お前が以前一緒にやったアーティスト、誰だっけ? あのビデオ、めちゃくちゃヤバかったじゃん」って言われたんだ。で、俺が「そうそう、アイツすごいんだよ!」って答えたら、ニッキーが「『Dogs of War』のビデオをやってくれないか、聞いてみるか」って言うんで、「わかった。電話しようぜ!」ってことになった。彼も俺たちのアイディアやコンセプトを気に入ってくれて、最終的にこんな最高なコラボが実現した。かなりぶっ飛んだビデオだと思うから、今からみんなに観てもらうのが超楽しみだよ!

─モトリー・クルーは1981年の結成から40年以上を経てもなお、“世界でもっとも悪名高いロックバンド”と言われ続けています。そうした存在であり続けられた理由は何なんでしょうね?

トミー:俺にもわからないな(笑)。いまだにそんな称号を与えてもらえていることに、俺は感謝しかない。これだけ長くキャリアを続けられるアーティストはそう多くないし、特にこの間のワールドツアーは、自分たちがいかにラッキーかということを思い出させてくれた。だって、客席を観ると子供が父親に肩車してもらって「Shout! Shout! Shout!」(※代表曲「Shout At The Devil」のコーラス)って叫んでるんだぜ? 「6歳の子供までノリノリだ。なんて最高なんだ!」と感動すら覚える。この2、3年は特に、今でも活動できて、楽しむことができて、少しはクールで楽しい世の中にできることに心からありがたいと思っているんだ。

─「Dogs of War」が新たにセットリストに加わることで、今度は「Bastards! Bastards! Bastards!」と叫ぶ若い世代を目にすることができそうですね。

トミー:ああ、まったくだ。その日を今から楽しみにしているよ!


2023年11月、Kアリーナ横浜にて開催された来日公演の様子

─日本のファンには「Dogs of War」をどう楽しんでもらいたいですか?

トミー:この曲を聴いてみんなに感じ取ってもらいたいのは、「今この瞬間を生きる」ということ。つらいことや社会のシステムや人間関係に打ちのめされず、目の前にあることをありのまま、素直に楽しむために、今この瞬間を生きるために闘い続けようぜってことさ。

だって、明日になれば俺だってみんなだって、いなくなっているかもしれないんだから。だろ? 俺たちは今、何をしている? どうせなら、それを思い切り楽しもう。そのメッセージが伝わることを切に願う。自分の王冠を誰にも奪われるなよ!(※「Don't let them take your crown」は「Dogs Of War」の一節)

─本日はありがとうございました!

トミー:去年のツアーは本当に楽しかったし、また日本に戻りたくてしょうがない。日本のみんなに俺から大きなハグを送るよ!




モトリー・クルー
「Dogs of War」
再生・購入:https://motleycrue.lnk.to/DogsOfWarWE

Translated by Yuriko Banno

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