田家秀樹が振り返る、宇多田ヒカル、BUMP OF CHICKENのデビュー・アルバム

田家秀樹

音楽評論家・田家秀樹が毎月一つのテーマを設定し毎週放送してきた「J-POP LEGEND FORUM」が10年目を迎えた2023年4月、「J-POP LEGEND CAFE」として生まれ変わりリスタート。1カ月1特集という従来のスタイルに捕らわれず自由な特集形式で表舞台だけでなく舞台裏や市井の存在までさまざまな日本の音楽界の伝説的な存在に迫る。

2024年4月の特集は、「新生活応援 周年アーティストのデビュー・アルバム」。今年記念の周年イヤーを迎える人たちがどんなデビューをしたのか、デビュー・アルバムではどんな音楽をやっていたのか、どんなことを歌っていたのかを探り掘り下げていく。

田家:こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」マスター・田家秀樹です。今流れているのは今日の1曲目、宇多田ヒカルさんの「First Love」。言うまでもなく、1999年に発売になったデビュー・アルバムですね。今年が25周年のアルバムです。宇多田さんのデビュー自体は1998年の12月、シングル「Automatic」が出ているんですけども、このアルバムが25周年ということもあって、今日はこの曲から始めました。



First Love / 宇多田ヒカル

今月2024年4月の特集は、「新生活応援 周年アーティストのデビュー・アルバム」と題してお送りしようと思います。4月です。進級、進学、新入社員、新しい生活が始まる期待と不安の中で新しい一歩を踏み出す、そんな月ですね。つまり、それぞれの人生のデビューの月ではないかと、こういう特集を組んでみました。

最初から輝かしい実績を残した人もいれば、そういう始まりができなかった人もいる。デビュー・アルバムにはそのアーティストのすべてが凝縮されていると言います。その後、それから今の姿も思い浮かべながら、ご自分の始まりを重ね合わせながら聴いていただけたらという1カ月です。今週は今年25周年を迎えるアーティストのデビュー・アルバム2組、まずは宇多田ヒカルさん。『First Love』が1999年3月10日に出ました。その1週間後、1999年3月18日に発売になったのが、この人たちのデビュー・アルバムですね。BUMP OF CHICKEN、アルバム『FLAME VEIN』から1曲目「ガラスのブルース」。



ガラスのブルース / BUMP OF CHICKEN

自分たちにとって音楽とはどういうものなのか、なぜ音楽をやるのか。こんなに簡潔にリリカルに歌っている、そういう始まりだったんですね。いくつになってもこういう気持ちを忘れないでいたい、未だにそう思いながら聴いております。初めてこれを聴いたときに、あ! 俺このバンド好きだ!と思った、そんな1曲です。藤原さんが初めて日本語で書いた曲と言われていますね。猫とブルースですよ。ガラスの目をした猫がりんりんと歌う。これだけでも拍手ですね。ライブで欠かせない曲です。2000年代以降のロック・バンドの質を変えた曲と言っていいでしょう。

前半は1999年3月18日に発売になったBUMP OF CHICKENの『FLAME VEIN』のご紹介。先に出た方が先輩になるわけで、BUMP OF CHICKENの方が少し後輩ということでBUMPが前半ですね。このアルバム『FLAME VEIM』の中の2曲目、「ガラスのブルース」の次の曲、この曲も大好きです。「くだらない唄」。

Rolling Stone Japan 編集部

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