─ドラマの音楽プロデューサーを務めるティンバランドが作った曲をただ歌うことに比べて、彼と一緒にスタジオに入って曲作りをするというのはどんな感じ?
すごいよ、その一言に尽きる。ティンバランドは音楽の天才だ。いろんな意味で刺激になるし、彼はどのアーティストに対しても情熱的だ。
─あなたのデビュー・アルバムがリリースされるのも近いと考えていい?
イエス。いま自分のアルバムに取りかかっているところだ。コロムビア・レコードに感謝している。俺はいま人生を楽しんでるよ。スタジオに入ってレコーディングして、自分を向上させるために前に進むことに集中している。
─ジャスティン・ビーバーやカニエ・ウェストの暴言や奇行が、シーズン1のハキームというキャラクターにインスピレーションを与えていると以前に語っていた。シーズン2のハキームはもう少したちが悪くなり、自信満々になっているように見える。今回も誰か実在の人物からインスピレーションを得ているのか。
正直言って、シーズン1のハキームはこのドラマの脚本を書いているダニー・ストロングだ。彼こそが本物のハキームだよ(笑)。ハキームが陥る痛快なシチュエーションの数々を書いて楽しんでいるのは彼だ。だって、ハキームは彼自身なのだから!
シーズン2のハキームは俺にとってもっと現実的な存在になった。このドラマに出演し、ドラマのファンたちと交流したり、自分の人生に起きていることを脚本家たちに話してエピソードに入れてもらったり。もちろん、そのまますべてではなく、それは脚色されたフィクションだけど。でも、ドラマに出演することによって、多くを経験していると思う。
─どんな経験を?
役を自分のものにして演じると、視聴者はそのキャラクターに引き込まれるようだ。彼らはハキームが好きになって、俺はアメリカ国民みんなのかわいい弟みたいなものだ。どこに行っても、末っ子扱いされる! まったく意味わかんねえよ(笑)。
─どんな扱いをされるのか。
ファンたちは俺を守らなくてはいけないと感じているみたいだ。いきなり写真を撮られたりしたら、ファンが俺の前にきて(カメラから)守ろうとしてくれる。なかにはボディーガード役をやってくれる奴もいて、(声を低くして真似るように)「彼をそっとしておいてくれ!」って言うんだ。まるで俺がすごい危険な場所にいるみたいに。シカゴのゲットーかどこかにいて、そんな俺を守ろうとしているかのように。俺としてはうれしいけどね。
─素晴らしいね。
(プロボクサーの)フロイド・メイウェザーみたいな有名人が街を歩くのは大変だろう。でも俺は今の状況に満足しているし、みんなの人気者になることができて、ファンや子供たちと話せることが楽しい。俺たちは人々にインスピレーションを与えることができる。
新しく「ユー・アー・ザ・グレイティスト」という財団を設立した。高校生に奨学金を支給する財団だ。(恵まれない環境にある)子供たちを助けることができるよう努めている。