Crossfaithインタビュー「俺らはアミューズメント的な存在でありたくない」

3年ぶりのアルバム『EX_MACHINA』をリリースしたCrossfaith

日本にとどまらず世界中のラウドロック・ファンを熱狂させるCrossfaith。彼らが満を持して3年ぶりのニューアルバム『EX_MACHINA』を8月1日にリリースした。アルバム・タイトルであるEX_MACHINA(エクス・マキナ)は「機械仕掛けの神」を表す言葉だそうだ。

コンセプトアルバムでもある本作。テクノロジーや人工知能を用い、完璧な管理統制によって人々を危険から守る存在が天使と呼ばれた近未来。しかし彼らの行動は、人々を危険から守ると同時にリアリティとパーソナリティという必要不可欠なものを人間から奪ってしまった。彼らの行動に疑問を持ち、本来、人間が持っているはずの“個”を覚醒する為に立ち上がった者たちは天使たちにより“悪魔”と名付けられた。

これが今回のアルバム『EX_MACHIN』のストーリーの始まりだという。そんな作品をめぐり、Koie(Vo)、Kazuki(Gt)、Teru(Prog, Vision)、Tatsu(Dr)、Hiro(Ba)に話を聞いた。

―毎回コンセプチュアルなアルバムを制作していますが、Crossfaithにとってアルバムがコンセプチュアルであるということは必要不可欠な条件なのですか?

Koie:たぶん、コンセプチュアルなほうが好きなんですよね(笑)。アルバムを通して聴く時代に生まれてきてるっていうのもあるし、どうしても『アルバムはやっぱストーリーを出したいよね』みたいな感じがあるんで。

―そしてCrossfaithのアルバムの物語の舞台は常にディストピアですよね?

Teru:最近はずっとそうですね。

Koie:だってロックバンドが『やったー! ユートピア!』ってなくないですか? しかもディストピアだからこそのメッセージがあると思うので。

―そして今回のディストピアは人口知能が人間を管理統制した世界ですが、このテーマ自体はSF小説でも繰り返し使われてきたモチーフだと思うんです。そうした手垢がついているモチーフを今Crossfaithがやろうと思ったのは何故ですか?

Teru:今だとシンギュラリティ(人工知能が人類の知能を超える転換点)が間近に迫っているわけです。でも、今から50年前のSF小説作家には今の俺らよりもリアリティが正直なかったと思うんですよ。今はVRもあるし、実際に人工知能によって仕事が失われていったり、人工知能が作曲したりマスタリングもしてくれるとか……そういうことが猛スピードで成長してきて、実際俺らもその影響を受けているし、そこに違和感を感じているし。もちろん先人が書いてきたテーマですけど、もう一度そこにそうした事態にリアルに直面している俺たちのメッセージを入れ込むのは自然でしたね。

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