Crossfaithインタビュー「俺らはアミューズメント的な存在でありたくない」

―なるほど。そしてCrossfaith的なメッセージというのが“個の覚醒”だと資料に書いてあります。確かにSNSで繋がっている我々の世界は、蟻や蜂のように一人ひとりにはあまり意思がなく集団だけを機能させようとする“スーパーオーガニズム(超個体)”の世界の如く感じるときがあります。とはいえ、“個を覚醒させる”と言っても具体的には何を覚醒させるのかがわからない気もします。

Koie:今回のアルバムを作るにあたっては、このシンギュラリティというテーマを通しての未来への警鐘みたいな部分だけじゃなくて、自分たちがどういう存在であるべきなのかをまず話し合ったんですよ。俺らCrossfaithは3年前に『XENO』というアルバムを出して、ある程度自分たちの中でマスターピースが作れたなぁという思いがあった。で、次のアルバムを作るときにどういうものを俺たちがアウトプットしていくのかとなって、俺たちにしか持ち得ない人間性を出そうっていうのが最初のコンセプトだったんです。具体的に言うと、日本のバンドで英語で歌っていてなおかつ海外にも日本にもファンがいるバンドって他にいないと思うんですよね。そういう俺たちならではのアティテュードを打ち出したかったんです。それが今作の根底にある。その上でシンギュラリティのコンセプトが出てきた。なので、そのコンセプトの世界を描きながらも、俺ら自身がメインなんです。つまり、自分自身がどう決断して動いていくかは他者にゆだねるのではなくて、自分自身で何かを考えて自分自身で何かを決断していこうよっていうのがメインのメッセージ。少なくても俺はそういう視点で詞を書いてましたね。

―なるほど。Tastuyaさんは?

Tatsuya:俺はこのアルバムを通して“熱”を伝えたいなと思っていて。最近の音楽は音も音質もめちゃくちゃキレイだし、クリーンなんです。でも、俺は音楽を通して人間らしさや熱とかを伝えたいと思っているので、それがより伝えられるような音作りを今回もしているし、メッセージ的にも“個の覚醒”っていう風にしているんだと思っています。だから聴く人がそこに気がつくきっかけになってくれたらいいなって思いますね。

―以前は無口で有名だったTatsuyaさんですが、だいぶ喋るようになりましたね(笑)。

Koie:そうなんですよ! Tatsuはインタビューで喋るようになったんですが、この間のヨーロッパツアーではドイツからデンマーク行きのフェリーで、なんとフェリーから降りれないっていう弱点を露呈してました(笑)。

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