デビュー40周年のASKA、「万里の河」をめぐる出会いのストーリー

「ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA - 40年のありったけ -」の様子。(Courtesy of ASKA)



―デイヴィッド・フォスター以外の大きな出会いを挙げるとすると?

ASKA:プロとして音楽をやるってことはそういうことなんだなって思わせてくれた井上大輔さん(2000年5月逝去。享年58歳)との出会いも大きかったですね。一時期、大輔さんの家に週に3〜4回遊びに行ってた。当時はまだ若くて、迷惑掛けているなんて考えなくて。遊んでいると、朝方3〜4時になるわけですよ。で、「大輔さん、これからどうするんですか?」って聞くと「俺、明日の12時までに7曲ぐらい書かないといけないから」なんて言うわけです。とにかくビックリでした。大輔さんはCM曲が多かったので「15秒でいいんだ」って言うんですが、僕にはわかるわけですよ、15秒であろうと普通に1曲であろうと、そこにかける集中力は一緒だってことは。15秒という1曲を7曲ですから。大輔さんと会って、ポップスとは何かを教わって、それを意識して書いた曲が「恋人はワイン色」です。自分は本当に人との出会いがないとここまで来れていないし、これからもそうなんだろうなと思っています。

―ちなみにASKAさんが思うポップスの定義とは?

ASKA:ポップスは分かりやすくて大衆的であるということ。それに尽きると思う。だから、ポップスが別に素晴らしいわけじゃなくて、ポップスといううつろいゆく世界の中で音楽を続けられることが素晴らしいことだと思っていますね。なので、大衆的だし流行りものだから消えては現れ消えては現れするのがポップスなんだけど、そこでちゃんと残っていくには残るだけのことをしなきゃいけないんだとは思っています。

―残るに相応しい歌と、歌がこの世界に残るように祈るかの如く歌う姿も、今回のライブでは印象的でした。

ASKA:正直言うと、去年の年末のライブで一回(喉を)潰したでしょ? 潰すと回復するまでに時間掛かるんですよ。ライブ終わって一カ月ちょっとで今回のツアーに入ったので、表面的な喉のガサつきだとか声の割れは治ってるように聴こえるでしょうが、自分ではまだ達していないところがあって。だからまだ回復中です。

―宇都宮のライブを拝見した限りでは、セットリスト中盤以降のクライマックスに向けては無敵な感じがしました。ちなみに、歌うことそのものの意味も変わってきていますか?

ASKA:歌に込めるものがハッキリしてる時に相手に伝わるものです。谷川さんも「言葉にしている時には相手に届かない。心から伝えようとする時には届いてる」っておっしゃっていました。そのとおりです。本当にそうなんですよ。歌にはそれが一番必要で。もちろん歌には、声やピッチの良さや、それなりの歌詞も付いてないといけないとか、いろんな要素があるだろうけど、ど真ん中にあるのは伝えるってことです。伝えるっていうことがやっぱりすごく大切で、これに気がついたシンガーだけが残るのだと思っています。そうは思っても、それを自然に成し遂げるのは至難です。僕も、まだまだ模索中です。

―“伝える”ということで言えば今回のツアーでは、愛を謳った歌がセットリストに多いし、ライブを観ていて“愛”について考える瞬間が何度も訪れました。野暮な質問ですが、ASKAさんにとって愛ってどんな存在ですか?

ASKA:愛の前には何をもっても勝てない。絶対勝てない。どんだけ嘘をつこうが、どんだけ裏切ろうが、どんなことをしようが愛に包み込まれたらそれで終わり。結局、長く歌っている人はみんなそこに気がつくんですよね。ジョン・レノンもそうだし、みんな結局たどり着くところは愛しかない。どの世代も気がついた人たちがそれを歌って、その曲を聴いて気がつく世代がいる。それがずっと繋がっていくだけの話なんですよ。

―音楽は“愛のリレー”をしているんですね。そして、今回のツアーの本編ラストで歌っている未発表の新曲「歌になりたい」は40年間の、そして、愛を謳ってきたASKAさんの集大成的な名曲だと思います。

ASKA:ありがとうございます。「歌になりたい」の最後は“人間愛だから”と歌ってます。そう謳えたのは、命は自分たちの中にあるからです。僕は、命が消えることはないっていうのはハッキリしていると思ってます。だって命って意識だから。物理的な意味での命っていうのは肉体のことを言うし、その肉体に寿命があるのは当然です。それはもう、この世の中に生まれてきた宿命、ルールなんです。でも、肉体の中に宿るものは何かって考えたら意識です。じゃあ、その意識っていうのは生まれてからつくものかと言えば、生まれてつくのは知識です。知識と意識は違う。じゃあ、その意識はどこから芽生えてきたのか考えると、もともとあったモノだなって気がつくんです。その意識が、肉体の中に飛びこんで来て、肉体が亡くなった時に、意識は再び元のところに戻る。これを繰り返して、これを輪廻と呼んでいるんです。意識=魂と言ってもいいだけど、死ぬことがない意識は本当に永遠なんです。「歌になりたい」はそんな死生観のもと、人間は愛だという結論に至っています。こうやって言葉にすると理屈っぽいですけど、歌で聴いてもらえたら伝わると思います。

―4月23日の武道館がどんなステージになるのか楽しみです。

ASKA:全ては会場に来てのお楽しみで。もちろん、僕は最高に楽しむつもりです。


「ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA - 40年のありったけ -」追加公演

<東京>
2019年4月23日(火) 日本武道館
開場 17:30 / 開演 18:30
一般発売日:2019年3月24日(日)
問合先:ディスクガレージ
TEL 050-5533-0888 (平日12:00~19:00)
https://www.diskgarage.com/ticket/detail/no080950

<大阪>
2019年4月25日(木) フェスティバルホール
開場 17:30 / 開演 18:30
問合先:夢番地 大阪
一般発売日:2019年3月24日(日)
TEL 06-6341-3525 (平日11:00~19:00)
https://www.yumebanchi.jp/artists/29954

<愛知>
2019年4月30日(火) 愛知県芸術劇場 大ホール
開場 16:30 / 開演 17:00
一般発売日:2019年4月6日(土)
問合先:サンデーフォークプロモーション
TEL 052-320-9100
http://www.sundayfolk.com/liveinfo/6w4n4jy

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