KISSのジーン・シモンズに日本で直撃 「最後の来日公演」は本当にラストなのか?

―今回のワールド・ツアーは2021年の7月にニューヨークで終了する、という事実がすでに公表されています。その時までにもう一度日本を訪れる可能性は残されているんでしょうか?

ジーン:わからないし、実際問題としてそれは難しい。他にもたくさんの国から話が来ているからね。先ほども言ったように南アフリカで初めてのショウをやることになっているし、中国との交渉も続いている。そして、我々がツアーをするのはこれが最後だ。いつまでもそれを続けようとすることは、ファンに対してフェアではないと思えるからだ。私は今、70歳だ。そして今もKISSのショウをやっている。しかし75歳になった時、ステージに立ち続けているべきだとは思わない。我々のやることは、すべてフィジカルなんだ。まず、7インチのヒールのあるブーツを履く。片方で8~10ポンドの重量がある。両足で約20ポンドだ。さらに12~15ポンドの重さのベースを抱え、腕やら何やらの装備でも20ポンドくらいある。もしもキース・リチャーズがこの格好でライヴに臨んだなら、30分も演奏したら倒れてしまうだろう。ボノもエッジも素晴らしいが、U2の一員だったなら、スニーカーとTシャツでステージに立つことができる。だから私の年齢になっても何の問題もない。だけどKISSでは、そういうわけにはいかない。我々は他の誰よりもハードワークを要するバンドなんだ。だからこそ無闇に長くステージには立たない。座って歌うようなことはしたくないしね。


Photo by Keith Leroux 

―長く続けることを最優先しながら、不本意な形でステージに立つことはファンに対してフェアではない。そういうことなんですね。最後に、今回の各公演を楽しみにしているファンに向けてメッセージをください。

ジーン:すべての日本のファンに理解して欲しい重要なことがある。それは我々が、日本の文化、人々、歴史、食べ物やこの国の美しさといったものに対して、深いリスペクトと畏敬の念を抱いているということだ。世界中を回ってみても、こんな場所は他にない。この国でもかつては人と人が殺し合っていた。ショーグンやサムライの時代の話だ。しかし、そうやってそれぞれの氏族が権力争いをしていた時代を経て、誰もが同じなんだという理解へと至り、政府というものが生まれた。それが1868年のことだ。そこには世界が学ぶべきものがある。アメリカにも同じような経緯があった。そうした時代がなければ、我々は存在しなかった。我々にさまざまなことができているのは、そうした世界を築いた人たちのおかげだといえる。満員のスタジアムでファンがクレイジーになる。それは金で買えるものではない。「楽しい時間を過ごしている5万人の叫び声を聴かせてくれ!」なんてことが叶う場所は、この世界以外にはない。我々は教皇よりもよほど楽しみを得ている。私はこれまで、この手のサイン(下掲の写真参照)を46年間掲げてきた。なかにはこれを邪悪なものとして見ている人たちもいるはずだが、それは間違いだ。このサインが意味するのは“I LOVE YOU”なんだ。

―デヴィルホーンやメロイック・サインとは違う、ということですね?

ジーン:そういうことだ。違う意味でこのサインを掲げる人たちもいるが……(再びスマホを取り出して写真を探し出し)この人たちも、このサインを私と同じ意味で掲げているよ(と言い、ダライ・ラマ、ローマ教皇と一緒に同じサインを掲げている写真を見せる)。

―では最後に、その“I LOVE YOU”サインを掲げた写真を撮らせてください。それがそのまま、日本のファンへのメッセージになりそうですし。今日は、お時間をいただきありがとうございました。

ジーン:ドウイタシマシテ。


Photo by You Masuda





KISS END OF THE ROAD WORLD TOUR


【仙台】
12月8日(日)ゼビオアリーナ仙台
OPEN 17:00/START 18:00
※SOLD OUT

【東京】
12月11日(水)東京ドーム
OPEN 17:30/START 19:00 

【盛岡】
12月14日(土)盛岡タカヤアリーナ(盛岡市総合アリーナ)
OPEN 16:30/START 17:30
※SOLD OUT

【大阪】
12月17日(火)京セラドーム大阪
OPEN 17:30/START 19:00  

【名古屋】
12月19日(木)
ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
OPEN 18:00/START 19:00
※SOLD OUT

■チケット
SS席:¥25,000
S席:¥20,000
A席:¥15,000
(全席指定・税込) 

特設サイト:
https://endoftheroad.udo.jp

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