フーファイのテイラー・ホーキンス、スーパースター軍団と描いたロック・ドリーム

4.「I Really Blew It」(featuring Dave Grohl, Perry Farrell)
デイヴがスクリームを聴かせる4曲目では、ジェーンズ・アディクションのペリー・ファレルも一緒に歌ってあげている。アルバム発売に合わせて公開されたビデオクリップも存在し、そこにも妻のエティ・ラウ・ファレルまで伴って出演。ペリーは2019年6月に18年ぶりのソロ・アルバム『Kind Heaven』を発表しており、そちらにテイラーも参加しているので、お返しにということかもしれない。再結成後のジェーンズ・アディクションで、オリジナル・メンバーのエリック・エイヴァリーに代わるベーシストとして、すっかり定着したクリス・チェイニーが繋いだ縁ということなのだろう。



5.「Queen Of The Clowns」 (featuring Mark King)
5曲目にベースとボーカルで参加しているのは、レベル42の中心メンバーであるマーク・キング。なんでも、マークの友人がギリシャかトルコでフー・ファイターズのショウを見に行った際、ライヴ途中でデイヴがテイラーに「伝説的な人物とプレイできるとしたら、誰を選ぶ?」と質問し、そこでテイラーが「マーク・キングだよ!」と答えたらしい。そこで友人はバックステージを訪ね、連絡先をテイラーに伝えた。翌日にはもう、マークへ「あなたにベースを弾いて、歌ってみてほしい曲があるんです」とメールが送られてきたという。ちなみにマークは、テイラーが尊敬するスチュワート・コープランド(ポリス)やエイドリアン・ブリュー(キング・クリムゾン)らとともに、ギズモドロームというスーパーバンドもやっている。





6.「Get The Money」 (featuring Joe Walsh, Chrissie Hynde, Duff McKagan)
続くタイトル・ナンバーには、ジョー・ウォルシュが参加。テイラーはどちらかというと、イーグルスよりもジェームス・ギャングの方が好きなようで、コートテイル・ライダーズの1stアルバムのジャケット・デザインは、ジェームス・ギャングの2ndアルバムに対するオマージュだったりした。フー・ファイターズのドキュメンタリーTVシリーズ『ソニック・ハイウェイズ』の第5話「ロサンゼルス編」では、レコーディングでジョーのギター・プレイを目の当たりにし、身をよじって感動してたテイラーだけに、今回の共演の中でも特に、夢が叶ったような体験だったことだろう。この曲では再びダフがベースを弾き、さらにプリテンダーズのクリッシー・ハインドまで歌声を聴かせてくれている。





7.「C U In Hell」 (featuring LeAnn Rimes)
なんと、テイラー・スウィフトにも影響を与えたカントリー界のスーパースター、リアン・ライムスがデュエットしている。今回、ナンシーやクリッシーなど女性アーティストの参加が、どうも野郎くさくなりがちなテイラーの世界に新しい空気を吹き込んでいるように思う。そういえば、本作のミキシングを担当したのも、デイヴ・グロールがドキュメンタリー映画の題材にしたサウンド・シティ・スタジオの元スタッフで、トゥールの初期作品をプロデュースしたり、リック・ルービンの元でシステム・オブ・ア・ダウンやジョニー・キャッシュなどのアルバムを手がけた才媛シルヴィア・マッシーだ。この曲は、クリスとブレントが弾いたキーボードなども活かされ、アレンジ面でも格段の進化を感じる。




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