2019年UKで最も売れたルイス・キャパルディ、音楽的ルーツとクイーンの好きな曲を語る

―あなたは実体験を曲にするそうですが、自分の体験を曲にする際に何か特に心がけていることはありますか?

ルイス:僕の場合、どうして自分の人生から曲を書くほうが好きかというと、それ以外のこと、例えば物語とかだとなんだか上手く機能しないんだよね。大事なのは……そもそも僕の好きな曲はどれも、人生について書かれているんだよね。だから、自分の音楽でもそうするのが重要だと思ってる。自分自身の人生について書かないと、むしろ変な気分になるんだよ。とはいえ、あまりそれについては考えすぎないようにしてきたんだ。ただ書いてからわかる、みたいな。でも、そう、僕は自分の人生について書いているね。

―あなたの音楽的背景について聞かせてください。あなたはクイーンやジョー・コッカーの曲を歌って練習してきたそうですが、クイーンだとどの曲が歌っていて一番楽しいですか?

ルイス:僕にとってベストなクイーンの曲!? オー・ゴッド! 「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」だな。この曲が一番好きだよ。時々、人って自由になりたいよね(笑)。時々…… 「神よ、神よ、僕は自由になりたい!」(筆者注:“God Knows, God Knows, I want to break free!” はこの歌詞のフレーズ)。時にはね……It’s strange but it’s true. I can’t get over the way. But I have to be sure. When I walk out that door……この部分って、僕のアクセントだと韻が踏めないんだよな。I want to be free. イェーイ(笑)。Oh, how I want to be free. ウー! ……や、もうやめとく(笑)。とにかく、この曲が一番好きだな。といっても、一番好きな曲はいつも変わるんだけど。

あと、「ONE VISION -ひとつだけの世界-」も好きだね。なにしろ、この曲は最後にフライドチキンのことを歌ってるだろ? 全く意味がないけど、好きなんだよね。「フライドチキンをくれよ (Gimme Fried Chicken)」なんて、ちょっとバカらしくて。太めの男として、僕もよく「フライドチキンをください」って言ってるからね。僕、いつもフライドチキンを食べてるから。もしかしたら、それが理由で僕はこの曲が好きなのかもしれないな(笑)。ああ、フライドチキンを食べていいんだな、って思えるから。や、フライドチキン大好きなんだよ。だから、「ONE VISION」も好きなんだ。フライドチキンを食べて、むくんで、僕のお腹がベルトの下で悲鳴をあげるんだ。それで、僕のお腹がベルトの下で「ブレイク・フリー! 自由になりたい!」って歌うのさ(笑)。

―(笑)ありがとうございます。

ルイス:ね、こうやって僕は自分の人生を歌うんだ(笑)。




―スコットランドのバスゲイトであなたは育ちましたが、一番近い音楽都市というとグラスゴーですよね。グラスゴーといえばバンドやアンダーグラウンドのダンス・ミュージックで有名ですが、どうしてあなたはソロ・シンガーというスタイルに魅力を感じたんですか?

ルイス:かなり長い間バンドにいたんだよ。でも、僕はあまりそっちでは上手くいかなくて。それほどいいバンドでもなかったかな。で、ある日思ったんだ、自分でやると結構いいかもって……実際のところ、最初からソロでスタートしたわけじゃないんだ。なぜなら、僕はそのとき新しいバンドを探してもいたから。前のバンドが解散して、「OK、それでも僕はギグが演りたいんだよな」と思ってた。そこで、ソロで歌いはじめたというわけ。それからソロとして演りつつもバンドを探していたんだけど、(ソロでの)物事が僕にとっては結構上手く行き始めて。だから、もしそれがなかったら僕はきっと、ずっと新しいバンドを探していたね。そうしたら、今のような状況には全くなっていなかったと思う。まあ、(バンドだと)収入が4方向に行っちゃうけど、今、僕はそれが全部来てるから。その分、フライドチキンがたくさん買える(笑)。分けなくていいからさ(笑)。僕の言う意味わかるよね。

―じゃあ、バンドに居た時は、どんな音楽をやっていたの?

ルイス:たくさんのバンドにいたわけじゃないけどね。そうだな、インディ・ロック・ミュージックだな。僕はバンドに夢中だったから、たとえばアークティック・モンキーズ、ザ・キラーズ、それから英国バンドのマカビーズみたいな……そんな感じだね。でもやっぱり、僕は上手じゃなかったから、バンドが解散してよかったのかな。でも、そう、何年もバンドはやってたね。

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