2019年UKで最も売れたルイス・キャパルディ、音楽的ルーツとクイーンの好きな曲を語る

―そうすると、あなたが音楽を作る時ってギターで作るんですか? それともピアノなど別のもので作る?

ルイス:前はギターで作っていたね。アルバムの曲を書くとなった時に、僕はギターが弾けたから、まあうまいわけじゃないけど、でもとにかく、ギターだといい曲が書けなかったんだ。なにしろ僕が弾けるのは慣れた同じコードだけだし、それだと最終的には同じような曲しか生まれてこなくて。で、僕はピアノがちゃんと弾けるわけでもないけど、アルバム用の曲は下手なピアノで書き始めたんだよね。実際どう弾けばいいかわかんないんだけど、でも全ての曲がずっと面白いものになった。なにしろ、何もわからないから「このサウンドも前と違う」「これも前と違う」みたいな感じになる。そうやって、このアルバムの曲はピアノで書いたんだ。だけど、最近はまたギターで書いてるね。それもまた、面白く感じてるんだ。だから、時と場合によって、ってことになるかな。もし曲を書いている間に飽きたり、立ち止まったりするときは、違う楽器に変えてみるといいんだ。

―最近でも曲を書いてるんですね。次の新しい道に向かって、どんな曲が生まれて来ていますか?

ルイス:まだ一曲一曲が完成しているわけじゃないんだけどね。半分だけアイデアを形にしたりしてる。そうだな……前よりもっと悲しい音楽が増えてる。うん、悲しい曲、それは間違いない。で、いくつかハッピーな曲もあるよ。けっこうエキサイティングだよね。で、どうなるかはお楽しみってところかな。つまり、1枚目のアルバムはかなり上手く行っただろ? 僕は嬉しい。ハッピーな男だよ。そして、2枚目のアルバム……これは、おそらく、そんなに、それほど、上手くは、行かない。なぜなら僕はすごくラッキーで、でも稲光は同じ場所には二度と当たらない。僕が言っている意味わかる? だから、僕はあまり過剰に期待せずに2枚目のアルバムに向かってるよ。僕はもう頂点に行ったと思うな、僕のキャリアはもう頂点に行った。で、残されているのはただ、下っていくことさ。まあ様子を見よう。でも、ベストを尽くすよ。僕らはこのアルバムでいい結果が出て、で、2枚目のアルバムはまあ、なんども言うけど、何も起こらないだろうな(笑)。

―(笑)ただ、オアシスは素晴らしい2ndアルバムを作りましたし、多くのブリティッシュ・ミュージシャンが前よりいい2ndアルバムを作っていますよね。

ルイス:そうだな、僕はその中の一員にはならないだろうな(笑)。最初のやつが最高だ。僕を信じてよ。僕を、信じて。最初のやつが、最高。これに尽きるね(笑)。




Photo by Sotaro Goto

―では将来の話を。シンガー・ソングライターとしてあなたの最大の夢、ゴールというと?

ルイス:シンガー・ソングライターとしてか……うーん、わかんないな。僕はかなり怠け者で、それって良くないよね。ゴールってあったかなあ……僕が音楽をやり始めた頃のゴールは、キング・タッツ(・ワー・ワー・ハット)でライブをやること。300人のキャパの、グラスゴーの小さなライブハウスだよ。それが僕の最終的なゴールだった。でもけっこうクレイジーなことになって、上手くいって、今じゃもうそれをはるかに超えちゃったから、実は今の僕にはゴールが無いんだよね。ただ、何が起こるかを自分でも楽しみにしている感じ。だから僕のゴールは、ただ曲を、自分の好きな曲を書き続けることかな。言ってる意味わかる? それが大切なことだと思う。たくさんの人が、曲を書くのをどこかのタイミングで止めるよね。僕は自分自身のために音楽を書いているからさ。みんなが僕の曲を好きだと言ってくれるのにはびっくりしてるんだ、だけどは自分が書いていて楽しい曲を作っていて、歌うのも楽しんでる。だからそれが、僕のゴールだな。ただ曲を書き続けて、自分の好きじゃない曲は書かずに、自分の好きじゃない曲はリリースせずに。体重を減らすのも好きじゃない、だから……まあ、それは別の話か」

―ありがとうございました。最後に、日本のファンはあなたの来日や日本盤を心待ちにしてきました。カメラに向かって、日本のファンにメッセージをお願いします。

ルイス:ハロー、みんな元気? ルイスだよ! 会えて嬉しいよ。いろいろとありがとう、チケットを買ってくれてありがとう、CDを買ってくれてありがとう。この後のライブで、君たちをがっかりさせないことを祈るよ。ベストを尽くすからね。いろいろとありがとう。みんな愛してる。ビッグハグを送るよ、ありがとうね。それから言っとくけど、もし2ndアルバムが出て、あまり好きじゃなかったら、買っちゃダメだよ。1枚目を買うといいよ。もし1枚目の作品が好きだとしたら嬉しい。でも僕の音楽が悪くなってたら、買わなくてもいいからね。でもとにかく、いろいろとありがとう。またすぐ会おうね!




ルイス・キャパルディ
『ディヴァインリー・アンインスパイアード・トゥ・ア・ヘリッシュ・エクステント』
発売中
https://www.universal-music.co.jp/lewis-capaldi/

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