1960年代のアメリカン・ポップスのリズムに微かなラテンの残り香、鳥居真道が徹底研究

なんと言ってもこのイントロ。「ドンドドンパーン!」というキックとスネアのみで演奏されるこの極めてシンプルなフレーズは一度聴いたら二度と忘れないほどのインパクトがあります。ハル・ブレインが語るところによると、当初は2拍目にもスネアでバックビートを叩くつもりだったそうですが、スティックを落としてしまって叩けなかったらしいです。むしろそのミスが「今のいいね!」となり、採用されたという経緯があります。



ところで、オフスプリングの「Pretty Fly (For A White Guy)」という曲をご存知でしょうか。「ギブトゥミベイビー」「アハーンアハーン」という掛け合いでお馴染みの少しノベルティっぽいあの曲です。私事で恐縮ですが、私が自ら積極的に音楽を聴き始めたのが20年ほど前のことでして、その頃によくこの曲がFMラジオやCSの音楽チャンネルなどで流れておりました。リリースは98年。ギターを嗜む同世代の人はギターリフをコピーして弾いたことがあるかもしれません。「Pretty Fly」と「Be My Baby」が一体なんの関係があると言うのかという話になりますが、リズムにおける共通点があると考えています。



まず「Be My Baby」の「ドンドドンパーン!」というパターンをキックとスネアの区別をせずに手拍子で叩いてみてください。「パンパパンパン・パンパパンパン」となりますね。次に「Pretty Fly」のギターリフのリズムを手拍子で叩いてみましょう。こちらも「パンパパンパン・パンパパンパン」となります。このように「Pretty Fly」と「Be My Baby」では同じリズムパターンが使われているのです。

この「パンパパンパン」というリズムパターンは「ハバネラ」と呼ばれるものです。ちなみに辛いことでお馴染みの唐辛子はハバネロ。どちらも名前の由来はキューバの首都ハバナから来ています。

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