世界は多様だという事実が尊重されるべき、公民権運動から始まるダイバーシティの源流

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2019年9月に書籍『なぜアーティストは壊れやすいのか?』を出版した、音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦。同書では、自身でもアーティスト活動・マネージメント経験のある手島が、ミュージシャンたちのエピソードをもとに、カウンセリングやメンタルヘルスの基本を語り、アーティストや周りのスタッフが活動しやすい環境を作るためのヒントを記している。そんな手島が、日本に限らず世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」をスタート。第12回は「ダイバーシティ」をテーマに、産業カウンセラーの視点から考察する。

メンタルヘルスの問題に向き合うときに大切な考え方がいくつかありますが、そのうちのひとつが「ダイバーシティ(多様性)」です。2020年2月2日に行われたスーパーボウルのハーフタイムショーにはジェニファー・ロペスとシャキーラが出演しましたが、シャキーラは「この国に受け継がれるものを思い出させてくれるでしょう。それはダイバーシティ(多様性)であり、それをパフォーマンスで祝福したいです」と話しました。

ダイバーシティとは、人は多様な存在で、様々な特性を持った人がいて様々な考え方や価値観があり、それらを尊重するということです。ここで気をつけておきたいのは、多様性はそれ自体は良いものでも悪いものでもない、ということです。ただ、人が”世界は多様である”ということを”事実として認めること”が大切なのです。どんなことでも事実を事実として受け容れなければ、そこにはなんらかの歪みや間違いが生じてしまいます。事実としてそのまま受け容れて、すべてが尊重される最善の方法を考えていくということです。

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