「再現ライブはひとつの国で1回ずつしかやらない」ー1995年のアルバム発表以来ライブでやっていない曲もプレイしましたが、それはどんな経験でしたか?かなり久しぶりの曲もあったし、スリルを感じた。インストゥルメンタル「ザ・フレイムス・オブ・ジ・エンド」はアルバム発売当時のライブでもプレイしなかったんだ。初めてステージで演奏したのはオランダのロードバーン・フェスティバルだったと思う(2019年)。あのショーでは普段やらないスペシャル・セットをやったんだ。フィリップ・グラスの『コヤニスカッツィ』とかね。それに、2017年に参加したヨナス・ストルハマー(Gt)を加えたラインアップでプレイするのが初めての曲が5曲ぐらいあった。『スローター・オブ・ザ・ソウル』は顔面にパンチをブチ込むアグレッシヴなアルバムだし、30分ちょっとで嵐のように駆け抜けていく。去年からサウンドチェックでやっていたし、最高のノリになるよ。基本的にアルバム再現ライブはひとつの国で1回ずつしかやらないんだ。スペシャルなものにしたいんだよ。スウェーデンでは7月のゲフリ・メタル・フェスティバル、ドイツでは8月のヴァッケン・オープン・エアーのみだ。日本では世界のほとんどのオーディエンスより前、3月に『スローター・オブ・ザ・ソウル』ライブを観ることが出来るんだ。
ヨナス・ストルハマーー『スローター・オブ・ザ・ソウル』をライブ再現して、新たな発見はありますか?うん、演奏するたびに、それまで気付かなかった発見がある。「アントゥ・アザーズ」で複雑なギターのパートがあって、「こんなアレンジだったのか!」と驚いたりしたよ。
ーアルバムをレコーディングしているとき、自分たちが“伝説”を作っている意識はありましたか?まさか(笑)。とにかく自分たちが作り得る最高の、誇りに出来るアルバムを作ろうとしただけだよ。理想を高く持って、ハードに働けば、きっと悪くないアルバムになると信じていた。正直、周りのことは考えていなかったな。もちろん良いアルバムだと確信していたけど、徐々にいろんなバンドが「影響を受けた」と話すようになって、いかにスペシャルな作品だったか気付いた。でも気付いた頃にはアット・ザ・ゲイツは解散していたんだ。
ー『スローター・オブ・ザ・ソウル』を作ったとき、「最もクリエイティヴな環境だった」とインタビューで回想していましたが、それはどんな環境だったのでしょうか?『スローター・オブ・ザ・ソウル』はバンド全員が集中して作ったアルバムだった。それまでのアルバムが100%だったとしたら、150%を注入した感じかな。スタジオにマジックな空気が流れているのが判ったよ。ただ、再結成して作った『アット・ウォー・ウィズ・リアリティ』(2014年)、『トゥ・ドリンク・フロム・ザ・ナイト・イットセルフ』(2018年)も同じ集中度で作ったアルバムだし、やはり誇りにしているよ。