「俺たちが聴いて育ったすべてのヘヴィ・メタルを、デス・メタルのアプローチで解釈した」
ー『スローター・オブ・ザ・ソウル』はいわゆるイェーテボリ・メタル・サウンドを確立させた作品と評価されていますが、どのようにして独自のスタイルを築き上げたのですか?
俺たちは必ずしも斬新な音楽を生み出したわけではない。デス・メタルにクラシック・ヘヴィメタルのメロディを加えて、全力でアウトプットしたんだ。ジューダス・プリーストからシン・リジィ、エクソダス、ダーク・エンジェル、メタリカ……俺たちが聴いて育ったすべてのヘヴィメタルを、デスメタルのアプローチで解釈したんだよ。それが特別なケミストリーを生み出したんだ。
ープロデューサーのフレドリック・ノルドストロームに「インダストリアルなサウンドが欲しい」とリクエストしたそうですが、具体的にはどんなサウンドを求めていたのですか?
当時俺たちはゴッドフレッシュやスワンズをすごく気に入っていたんだ。シャープでハーシュ、情け容赦ないサウンドを求めて、フレドリックに“インダストリアル”な音をリクエストしたんだと思う。『スローター・オブ・ザ・ソウル』がインダストリアル・アルバムだとは誰も思わないだろうけど、同じ苛酷さと緊迫感が漲っているよ。
ー日本公演は『スローター・オブ・ザ・ソウル』完全再現ライブということで、アルバム通り「ブラインデッド・バイ・フィアー」から始まることになりますか?
うん、そうなるだろうね。
ー「ブラインデッド・バイ・フィアー」は世界中のメタル・ファンから名曲扱いされていますが、あなた自身はあまり気に入っていないのだとか?
まあ、悪い曲じゃないけどね。「アンダー・ア・サーペント・サン」のような曲の方が労力をかけて書いたし、思い入れがあるのかも知れない。「ブラインデッド・バイ・フィアー」はレコーディング・セッションの最後にパッと書いた曲だった。もちろんヘヴィな音楽を好きな人間だったら、嫌いな人はいないと思う。メタリカの「バッテリー」やスレイヤーの「エンジェル・オブ・デス」みたく、すごく直接的にアグレッシヴな曲だし、首を振るにはベストな曲だ。
ーブラック・サバスの「パラノイド」もアルバムのレコーディング・セッションの最後に付け足しのような感じで書かれて、バンドの予想外に神格化されるようになったそうですね。
彼らにどれだけ思い入れがあるか判らないけど、俺自身も「パラノイド」は大好きな曲だし、メタル史上に残るクラシック・ナンバーだと思う。「ブラインデッド・バイ・フィアー」は俺のフェイヴァリット・ソングではないけど、この曲を愛してくれるファンには感謝しているし、バンドにとってスペシャルな曲だ。だから普段のアット・ザ・ゲイツのショーでは最後にプレイしているし、今回は1曲目にプレイするんだ。最初からアグレッションを全開にするから、強力なショーになるよ。