吉田拓郎と井上陽水、1970年代のライブアルバムを振り返る

1971年6月発売のライブアルバム『よしだたくろう オンステージ ともだち』






この『よしだたくろうLIVE’73』が行われた1973年の拓郎さんは、新・六文銭でもツアーをやっているんですね。2つのスタイルでツアーを行いました。新・六文銭のメンバーは、後藤次利さん、柳田ヒロさん、チト河内さん、小室等さん。柳田ヒロさんは、先週ご紹介した岡林信康さんの日比谷野音公演のバック・バンドのリーダーでしたね。「落陽」のイントロのギターは、高中正義さんですが、あのイントロはずっとあの形のままです。そして、高中さんと後藤さんは先週ご紹介した矢沢永吉さんの日比谷野音公演のバックでした。やっぱり「出来る」ミュージシャンは少なかった。そういう人たちの情熱が時代を動かしていた、そんなアルバムです。



「J-POP LEGEND FORUM」ライブ盤特集8週目、”初期の拓郎・陽水伝説“。今週は、1973年の陽水さんのライブアルバム『陽水ライヴ もどり道』、拓郎さんの1971年の『よしだたくろう オンステージ ともだち』と、1973年の『よしだたくろうLIVE’73』の3枚をご紹介しました。流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

「春だってね」が収録されていたアルバム『元気です。』は、1972年の年間チャート4位、15週間1位を続けたというアルバムです。そして1973年から1974年にかけては、井上陽水さんがそういう場所に行くんですね。『氷の世界』は、1974年と1975年の2年間の年間チャート1位なんです。年間チャート1位を2年続けたんですよ。そして、1975年にこの2人がフォー・ライフレコードで一緒になるんですね。1970年代前半がそこで完結したという時代です。

1973年の陽水さんの『陽水ライヴ もどり道』は、『氷の世界』の前の一番素朴な陽水さんが記録されてます。拓郎さんの『よしだたくろう オンステージ ともだち』の「イメージの詩」で、歌詞で拍手が起きました。自分の気に入っている箇所で拍手をするというのは、当時で言うと異議なし、という意味であります。拓郎さんは、この後2009年に丸ごとMCまで収録した『18時開演 ~TAKURO YOSHIDA LIVE at TOKYO INTERNATIONAL FORUM~』というライブアルバムをリリースしております。そして、去年、拓郎さんは73歳で「LIVE’73」を行いました。そこでは全曲を自分の詞曲の曲で行いました。陽水さんは、『氷の世界』の40周年版でツアーも行いました。それぞれ自分の過去を塗り替えながらずっと生きてきている、そんな2人であります。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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