吉田拓郎と井上陽水、1970年代のライブアルバムを振り返る

今月2020年7月の特集はライブ盤。早くライブが再開される日が来て欲しい。そんな心からの願いを込めて2ヶ月連続でのライブ盤特集。今日は2人のライブアルバムもご紹介したいと思います。題して"初期拓郎・陽水伝説"。日本の音楽業界は70年代に入って、劇的に変化しました。その最たるものがシンガー・ソングライターの登場ですね、自分で作って自分で歌う。その最大のヒーローであり、パイオニアが吉田拓郎さんと井上陽水さん。シンガー・ソングライター革命の両輪ですね。

でも、2人の作風は相当違います。当時は「動の拓郎、静の陽水」、「陽の拓郎と陰の陽水」というイメージがありました。もちろんそれぞれの中には両面があるわけですが、デビュー当時はそこまで見抜けませんでしたからね。本人たちもそこまで見せていなかったので、かなり対照的なイメージでした。デビュー直後の2人は、一体どういう存在だったのか? どんなステージをやっていたのか? ということを、本日はお楽しみいただけたらと思います。

拓郎さんの最初のライブアルバムは『よしだたくろう オンステージ ともだち』なんですが、驚きましたね。ライブアルバム自体が珍しい時代に、MCが丸々入っているんです。こんなに自由で楽しいアルバムがあるんだという驚きでしたね。拓郎さんの最初のイメージはこれでした。お客さんは女の子が多かったし、皆が楽しく笑っている。一方、井上陽水さんはどうだったのか? 1973年に出たライブアルバム『陽水ライヴ もどり道』は、未だに史上最も売れたライブアルバムです。前半はこの『陽水ライヴ もどり道』から、何曲かお聴きいただきます。まずはアルバムの1曲目です、「夏まつり」。



「陽の拓郎と陰の陽水」という当時のキャッチフレーズが、どこまで的を得ていたのか? ここまでの2曲が物語っているんではないかと思っております。陽水さんは、今のライブでは楽しそうにトークをしますけども、当時は耳を澄まさないとなかなか聞き取れないというMCをしておりました。

Rolling Stone Japan 編集部

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