仮想通貨ビジネスにも参入 セレブラッパーの先駆け、リル・ヨッティの第二幕

ファンとのやり取りは日常の一部

ヨッティがConcrete Boysを立ち上げたのは昨年のことだ。レーベル設立直後に契約したアーティストの1人は、ヨッティの古くからの友人であり、『Lil Boat 3』の「Demon Time」で突出した存在感を放っていたDraft Dayだ。「歳くったなって感じることもあるよ」。ヨッティはそう話す。「世間から注目されてる存在の名前を知らない時なんかはね。そういうことは稀だけどさ、俺はいつもアンテナを張ってるから」



またヨッティは、コミュニティ内におけるよりダイレクトなコミュニケーションを可能にする、TwitchやDiscord等の新しいソーシャルプラットフォームでも存在感を示している。彼は両プラットフォームで頻繁にファンと接しており、この4月にはDiscordの「sound packs」とのコラボレーションを果たし、デフォルトの通知音の代替となるサウンドを提供している。

これは時代の動向に敏感な、最近の有名人らしい動きだと言える。ファンがソーシャルプラットフォームを介してセレブの暮らしを垣間見る機会が増えた分、彼らとのより積極的なやり取りが求められるが、ヨッティにとってそれは日常の一部だという。「俺は毎日、四六時中ファンと繋がろうとしてる。よくやり取りをする相手は、だいたい名前も覚えてるよ」。ヨッティはそう話す。「俺と直に会っても、彼らは狂喜したりしないだろうね。『よおブラザー』って感じで、友達感覚で接するんじゃないかな」

ヨッティはもう1人の若き実力者であるタイラー・ザ・クリエイターと、頻繁に電話で話しているという。「物事をあるべき方向に進めていく」上で、彼のような仲間を持つことは重要だと彼は話す。ヨッティは現在『Michigan Boy Boat』のリリース準備を進めており、その後にはプロデューサー集団のWorking on Dyingとのプロジェクト、そしてリル・テッカとのコラボレーション作の発表が控えている。また彼は今サイケデリックロックに傾倒しており、次回作にはその影響を反映させるつもりだという。「MGMTのアンドリューとか、いろんな人と話をしてる。ケヴィン・パーカー(テーム・インパラ)とも面識があって、いろいろと話してるんだけど、すごく刺激になるよ」。彼はそう話す。「次のアルバムを出す前に、サイドプロジェクトをいくつか公開するつもりだよ。でもって次のアルバムは、とにかく細部までこだわったものにしたいと思ってる」

5年後の自分はどうなっていると思うかという問いに、彼はこう答えた。「俳優として大成功していたいね」。彼はこう続ける。「腹筋がバキバキに割れてて、髪はバッサリ切って、髭をたくわえたりしてさ。まさにセックスシンボルって感じの存在になりたいね」。セレブラッパーの先駆けであるヨッティにとって、それは決して夢物語ではないだろう。彼が第一線にとどまっていることは、堅固なフローとネットに関する知識という武器の有効さを物語っている。「やりたいことが山ほどあるんだよ。俺にはそれができるって分かってるからね」。ヨッティはそう話す。「自分がどんな力を持っているのかを悟ったんだ。誰がなんと言おうと、俺を止められるのは俺だけさ」

from Rolling Stone US

Translated by Masaaki Yoshida

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