Chara、初の野音単独公演で響かせた自由で好奇心あふれる歌声

すっかり日も落ちてきた中、バックドロップが一瞬で落ち、シンプルで光の映える背景へ。「昔、おばあちゃんちに行った夏のような雰囲気。外で蚊帳を張って寝たい」と、野音ならではの蝉の鳴き声が聞こえる雰囲気から連想した風景を語るChara。「珍しい曲を歌ってみようかなと。初めて歌うシリーズです」と語り、2011年のアルバム『Dark Candy』より「Little bird」を演奏。初めてライヴで披露するとは思えないくらい情感豊かに歌い上げた。歌い終えると、「新しいことに挑戦することが好き。冒険したい」と好奇心が尽きないことを語った。続けて、椅子に座ってアコースティックギターを持ち「No Promise -A Scenery Like Me ver.-」を少ない音数でじっくり聴かせ、赤と青のライトの中で1997年リリースの「タイムマシーン」、鉄琴のような上物と低音の効いたキックと観客たちの手拍子でスタートした「恋文」をリズミカルに踊りながら歌ってみせた。



「もうちょっと真っ暗になるまで(お客さんと)一緒に待つ」とCharaが言うと、Shyoudogがヴォーカルを取り、ホーンとともにソウルフルな演奏をじっくり聴かせた。演奏が終わるとスモークがステージを包み、サイケデリックな雰囲気のギターサウンドが会場を魅了、ミラーボールがまわり「しましまのバンビ」へ。トランペットのソロから始まるスローテンポなナンバー「Happy Toy」、客席のタンバリンが鳴り響きファンクで腰をゆらした「call me」ではサビでのCharaの声の伸びが素晴らしく、観客たちは真っ暗な中でも両手を叩き一体感を生み出した。

「まだ元気ありますか?」と問いかけると、まったく衰えることのない元気な拍手が客席から湧き上がった。「すっかり暗くなったね。音楽って最高だね。私友達と会うと結構ハグとかするんですけど、いまなかなかしづらいじゃん。みんなと音楽でハグしたい」と気持ちを述べ、ピンク色の照明の中、しっとりと「hug」を聴かせた。

Rolling Stone Japan 編集部

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