ペンタトニックスが語るクリスマスへの特別な思い、アカペラ・グループとしての成長

クリスマス名曲のカバーについて

ー先日「ザ・プレイヤー」のビデオが公表されました。この曲はクリスマス・ソングではないけれど(オリジナルはセリーヌ・ディオン&アンドレ・ボチェッリ)、クリスマスに歌われたり、結婚式でもよく歌われますよね。

スコット:そうそう、すごく厳かで美しい曲だからじゃないかな。愛と希望がテーマだから、クリスマスにも相応しいんだよね。それにオーセンティックなスタイルで壮大な曲だから、心を鷲掴みにして、どんどん大きく広がっていく。そんなところも大好きで、クリスマス気分を盛り上げてくれるよね。僕たちのミュージック・ビデオも、雪が降り積もる森の中というシチュエーションで、すごくクリスマス・ソングぽい感じだしね。



ー「フロスティ・ザ・スノーマン feat. アレッシア・カーラ」について、やはり幼い頃からクリスマスになるとこの曲を歌ったり、この曲を基にしたアニメ(『フロスティ・ザ・スノーマン〜温かい雪だるま』)をテレビで観ていたのですか?

スコット:「フロスティ・ザ・スノーマン」は幼い頃からみんなが耳にしてきたお馴染みのクリスマス・ソングだよね。アニメも同様にね。すごく楽しいストーリーだし、雪だるまが魔法で命が吹き込まれるとかって、みんなで楽しく歌えるよね。アレッシア・カーラにゲスト参加してもらったのは、僕たちが彼女の大ファンだから。彼女のソウルフルな声のトーンや、彼女が歌うときの声の使い方が大好きなんだ。まったく肩に力を入れずに歌って、クールに聴こえるんだよね。彼女のおかげでこの曲もネクストレベルになったと思うよ。

ーアレッシア・カーラの「Stay」(with ゼッド)をペンタトニックスはカバーしていましたよね。彼女とのコラボは今回が初めてですか?

スコット:そう、彼女の曲はカバーしていたけど、彼女とコラボするのは今回が初めて。だからすごく興奮しているんだ。

ー他の曲についても尋ねたいのですが、ポール・マッカートニーの「ワンダフル・クリスマスタイム」は日本でもクリスマスになると大人気です。たぶんアメリカよりも、よく流れているくらいです。アカペラ・グループのストレイト・ノー・チェイサー(Straight No Chaser)がポール自身と共演しているヴァージョンは知っていましたか?

スコット:え、ホント? 知らなかったよ、うん、聴いてみなきゃ。いい曲だから、いろんな人がカバーしているのは知っていたけど。



ースティーヴィー・ワンダーの「アイ・ジャスト・コールド・トゥ・セイ・アイ・ラヴ・ユー」も日本でお馴染みの人気ナンバーです。いわゆるクリスマス曲ではないけれど、クリスマスのムードにピッタリですよね。

スコット:以前にTikTokで誰かが歌っていたんだ。その動画を観たとき、“コレだ!”と思って僕がグループの他のメンバーにカバーを提案したんだ。結局そのときはレコーディングせずに、そのままになっていたんだけれど、今回クリスマス用の曲を探していたときに改めて聴いたら、すっごくスウィートで最高じゃないかと思ってね。“愛していると伝えるのに、理由なんていらない”とかってさ、もう最高にスウィート。愛情が溢れていて、すごくセンチメンタル。このアルバムのムードにもピッタリだし、しかも歌詞にもクリスマスって言葉が出てくるんだ。

ーそうですね。でも“クリスマスじゃないけど〜”でしたっけ? クリスマス・ソングじゃないと歌っているんですよね(笑)。

スコット:そうそう、最高のアイロニー(笑)。“クリスマスを祝ってるわけじゃないけど、愛を伝えたくて〜”とか歌っている。

ーTikTokで見つける前から、この曲は知っていましたか?

スコット:もちろん、もちろん。TikTokで久々に聴いたんだ。幼い頃から耳にしている名曲だし、みんながこの曲を知ってるはずだよ。でも、ずっと耳にしてなかったから、久しぶりに聴いたとき“うわ〜、すっごくいい曲!”って感動したんだ。改めてこの曲の良さを実感させられたよ。



ージョニ・ミッチェルの「リヴァー」に関してはどうですか? 

スコット:すごく美しい曲だし、詩的なんだよね。ジョニ・ミッチェルって、すごく的確に心情を言葉にできる人、歌える人だと思うんだ。ソングライターとしての才能だよね。琴線に触れるよ。彼女が歌い出した途端に、その世界に引き込まれる。僕たちは今回リスナーの心を打つアルバムを作りたかったし、そういう美しい曲を探していたから、ジョニ・ミッチェルの「リヴァー」に関しては、まったく迷うことがなかったよ。オペアーズ(The O’Pears)という3人組の3声ハーモニーの女性グループがいるんだけれど、彼女たちがこの曲を歌っていたんだ。僕たちはその3声ハーモニーの歌唱法から多大な影響を受けている。とにかく美しい曲なんだよね。もともとインタルード的に挿入する予定だったんだけど、すごく気に入ったから少し長めの2分間ヴァージョンという形に落ち着いた。そこから次の「オーヴァー・ザ・リヴァー feat. リンジー・スターリング」へと続いていく。スタンダード曲を、かなりワイルドにユニークに解釈しているカバーだよ。

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