アリアナ、KOHH、カリードまで マライア・キャリーの華麗なるコラボ歴を総括

辛い体験となったコラボも

一方、マライアが本気で後悔しているコラボといえば、ニッキー・ミナージュとの「Up Out My Face」(2010年)だろう。リリース時点では、両者の関係も良好だったし、当時の夫ニック・キャノンが監督したドールキャラに扮したビデオも好評だったが、その後なぜだかニッキーとの関係はみるみる悪化。この曲がフィーチャーされたリミックスアルバムも制作されてリリース予定が公表されていたが、急遽お蔵入りに。数年後にオーディション番組『アメリカン・アイドル』(2013年)で、審査員として顔を合わせる2人だが、毎回TVカメラの前で激しい口撃バトルを展開。マライア自身も思い出したくない辛い体験だったと吐露している。“ガチ犬猿コラボ”として語り継がれることに。



当然ながら長きにわたって彼女を支えてきたアーティストも少なくない。なかでも“女王様の取り巻き”として最もロイヤルに尽くしてきたのがラッパーのダ・ブラットだ。「Always Be My Baby」(1996年)や「Honey」(1997年)などマライアの初期大ヒットの多くのリミックスに参加しているほか、ステージ、ツアー共演はもちろん、あの悪名高きマライア主演作『グリッター きらめきの向こうに』(2001年)(今聴いてもサントラは素晴らしい!)にも出演していたほどだ。ソニーミュージックCEOとの監禁状態の結婚生活から救い出してくれたのも彼女。こっそり2人で豪邸から逃亡した“バーガーキング事件”は、昨年出版された自伝『The Meaning Of Mariah Carey』にも詳しく書き込まれている。



またダ・ブラットと並んで彼女が多大な信頼を寄せるジャーメイン・デュプリも、サイドキックとして全キャリアを通じて大きな役割を担ってきた。So So Def名義による数々のリミックスをはじめ、プロデューサー/共作者/共演者として常にマライアに貢献。「Sweetheart」(1998年)や、復活後の「We Belong Together」〜「Shake It Off」〜「Don’t Forget About Us」(全て2005年)といった一連のメガヒットの影の立役者と言えるだろうか。いつも彼女の後ろをチョコチョコ付いて回る姿が“クイーンの下僕”のようではあるのだが(汗)。



ヤンチャな男性ラッパーとのコラボも多いマライア。その突破口となったO.D.B.ことオール・ダーティ・バスタードがフィーチャーされた「Fantasy」(1995年)のリミックスは、今でもまったく色褪せない名コラボ。“美女と野獣”のような対比が最高に楽しかったが、その後シンデレラはどんどん貫禄を増していくことに。特にデフジャムに移籍後は、周囲にバッドボーイズを侍らせた女番長的な立ち位置が明確化。バスタ・ライムスとの「I Know What You Want」(2003年)もそんな一曲だったが、なんとその続編「Where I Belong」が“18年ぶりの続編コラボ”として昨年突如リリースされた。ビデオでは時間が止まっているとしか思えないマライアの変わらぬルックスに目が釘付け。さすが”永遠の12歳”(byマライア本人)なのだ。



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