LiSA武道館ライブレポ、「10年前のわたし」に向けた最高のプレゼント

「10年後のわたし」へつなぐバトン

ライブ本編が終わると、スクリーンには「10年前のわたしへ」と題した、オープニング映像へのアンサーが上映される。“アーティストLiSA”はじまりの1曲である「Believe in myself」が流れる中、今のLiSAが10年前を振り返っていくと、「Believe in myself」やソロデビューミニアルバム『Letters to U』への“10年後のアンサー”である「Letters to ME」からアンコールに突入。LiSAは大切な思いが込められた「Letters to ME」をステージ中央で歌うも、途中で込み上げるものがあり、涙を拭いながら歌で思いを届けていく。最後はピースサインを高らかに掲げると、場内にはこの日一番の盛大な拍手が鳴り響いた。


Photo by Viola Kam (V’z Twinkle)

深々とお辞儀をしたLiSAは、「10年、最高の日ばかりじゃなかったけど、120点の、200万点の、300万点の、『今日もいい日だ!』と言える完璧な日ばかりじゃなかったけど、その1つひとつを、最低かもしれない1つひとつを、みんなが会いにきてくれたこの1回1回を、大切に作った1曲1曲を、毎日生きている1日1日を、最高じゃなかったなんて思いたくなくて。みんなと生きている今日は最高なんだって、『今日もいい日だ!』って唱え続けてきました。うまく言えないけど、10周年『LADYBUG』ツアー、今日ここ日本武道館でみんなと迎えられたことを、今日は本当に本当に、最高に『今日もいい日だ!』と言えます」と涙ながらに挨拶。続けて、「みんなが一緒に信じてくれた今日のように、私もみんなと生きている今日を信じています。だから、思い切り走っていっていいよ。そして、また10年後も一緒に遊ぼうね!」と新たな決意を胸に、正真正銘のラストナンバー「Another Great Day!!」を武道館を飛び越えるほど力強く歌い上げ、10周年を祝福するアリーナツアーを大成功のうちに締めくくった。

この10年間、ライブを通してLiSAの最高の瞬間を、そして失敗した瞬間を数々目にしてきた。そんな彼女が武道館のステージで見せたこの日のライブは、間違いなくキャリア最高峰と呼べるほどの完成度だったと確信している。単にベスト選曲で10年を総括するのではなく、最新ナンバーの数々で今を見せることが「10年前のわたし」に向けた最高のプレゼントであり、ここから先の「10年後のわたし」へつなぐバトンでもあるのだから。

2022年4月には、早くも次のライブ『LiVE is Smile Always〜Eve&Birth〜』も控えており、4月20日のソロデビュー11周年記念日には再び日本武道館のステージに立つことも決定している。充実した作品/楽曲を連発したLiSAだが、来年はその創作意欲がさらに加速するのか。そして今回のツアーを超えるライブをどれだけ見せてくれるのか。今から楽しみでならない。

【関連記事】LiSAが語る2010年代「10年貫いてきたからこそ、仲間に入れてもらえた」

『LiVE is Smile Always〜LADYBUG〜』(2021.12.8)セットリスト
01. dawn
02. 白銀
03. ADAMAS
04. ViVA LA MiDALA
05. GL
06. わがままケット・シー
07. ノンノン
08. 妄想コントローラー
09. シルシ
10. 往け
11. play the world! feat. PABLO
12. RUNAWAY
13. 炎
14. 明け星
15. 紅蓮華
16. ROCK-mode’18
17. Rising Hope
18. ハウル
--ENCORE--
19. Letters to ME
20. Another Great Day!!

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE