トーべヤンソン・ニューヨーク(TJNY)のギタリスト、アートディレクター/グラフィックデザイナー森敬太による連載第11回では、大雑談会を2年ぶりにリアル開催! 久々の対面収録による高揚感、ビッグニュースへのお祝いムードからスタートした雑談は、例年以上のこぼれ話ぶりをみせる。本企画史上最長の1万4000字にわたる激論の末に決定したアワードへ捧ぐ、西村ツチカ描き下ろしイラストもお見逃しなく!(2021年11月19日収録)
座談会参加者
森敬太(ギター担当、グラフィックデザイナー)/オノマトペ大臣(ラップ担当、サラリーマン/ラッパー)/西村ツチカ(ギター担当、漫画家)/澤部渡(ドラム担当、ミュージシャン)/唐木元(ピアノ担当、ミュージシャン)/玉木大地(キーボード担当、プログラマー)/金子朝一(ボーカル/ホイッスル担当、ライター)/mochilon(ベース担当、ミュージシャン)/tofubeats(名誉メンバー、音楽プロデューサー)
※この記事は2021年12月25日発売の『Rolling Stone Japan vol.17』に掲載されたものに、加筆を加えたものです。
・全然好きじゃないですね
森:なんで誰もチーズおかき食べないの?
金子:僕正直言って苦手です。チーズおかき。
一同:(笑)。
金子:でも、好きですかみんな?
大臣:僕も好きじゃないね。ちょっと独特の味がするでしょ。
森:ちゃんと真正品のチーズおかきにしたのになんだよその態度は。ブートじゃないんだよこれは。
tofu:好き嫌いが分かれるタイプのお菓子ではありますね確かに。
金子:tofuさんはっきり言ってやってくださいよ。好きなんですか?
tofu:まあ……全然好きじゃないですね。
大臣:悪夢みたいですよ。チーズおかきをこんな大皿に山のように盛り付けるなんて。
森:すごいね。精一杯のホスピタリティを搾り出したのにその仕打ち。
(玉木、西村到着)
玉木:いやーお久しぶりです。
西村:対面で集まるのはほんとに久しぶりですね。
森:前回集まったのって2019年の11月だからね。丸2年だよ。
大臣:あの時は紀州のドンファンもまだ存命でしたよね。
森:いや、お隠れになってたって。生きてたら話題にしてないでしょ。死して名を残したタイプの人だよドンファンは。
金子:いい加減な人だなあ。
大臣:まあドンファンにそんなに関心があるわけでもないですからね。仕方がない。ほら、2人ともチーズおかきがありますから食べてくださいよ。評価低いですけど。
西村:どういう流れがあったんですかその配り方(笑)。僕は好きですよチーズおかき。
森:ほら見てみろよ!
西村:チーズおかきは普遍的ですよ。
tofu:普遍的であることに異論はないんですけど……。
大臣:普遍的に不味いって言いたいの?
一同:(笑)。
tofu:そうじゃなくて(笑)。苦手な自分が少数派だと思ってたんですけど、こんなに同志がいるとは。
玉木:僕もチーズおかき好き派ですよ。それなりに高級品のイメージあるし。
大臣:高いの? じゃあ一回食べてみよう。
一同:(笑)。
森:隠そうともしないね。浅ましい人間性を。
西村:奇しくも運転免許失効組が好意を寄せてますね。チーズおかき的にも不名誉でしょう。
森:見えてしまったね隠された因果が。
・ビーフンですね……
tofu:バームクーヘン買ってきたんで、みなさんで食べてください。
大臣:これはありがたいねぇ。場が華やかになったよ。
森:態度の変化が露骨すぎるよ!
玉木:僕は近くのコンビニでおにぎりを一通り全種類買ってきました。
森:それはそれで風変わりな行動だね。結果めちゃくちゃ重くなってるじゃんこの袋。馬の首でも入ってるのかと思ったよ。
西村:玉木くんもなかなか徳高いですね。
森:tofuくんもでかい袋持ってるけど何が入ってんの? 河童のミイラ?
tofu:これはですね……。澤部さんの結婚祝いです!
一同:ギャー!
tofu:帰り際に渡そうと思って買ってきたんですよ。ストウブの鍋をね……!
森:なんて奴だよ……。
金子:圧倒的な社会人力ですね……。
森:新婚を迎えるのに徒手空拳で挑もうとしていた自分が心から恥ずかしいよ。
大臣:大丈夫。我々なりにできることがあるはずですよ。
西村:玉木くんが買ってきてくれたおにぎりを、バームクーヘンの箱に入れればなんとか……。
一同:(笑)。
大臣:チーズおかきも2、3個入れて。金子くんは何買って来たの?
金子:僕は……ビーフンですね……。
一同:(笑)。
大臣:みんなで分け合って食べるという前提すら無い(笑)。
森:刻一刻と糊化する米麺(笑)。一番結婚祝いに向いてないよ。
金子:澤部さんなら喜んでくれますよきっと。もう僕ちょっと食べちゃったんですけど。
・壁に沿わせるんですよね
(唐木、Zoomで参加)
森:お、ニューヨークから入電が。
唐木:こんな寂しい画面があるかよ……。みんな集まってるのにさ。
大臣:いきなり元気がないですね。
西村:心なしか小さく見えますよ。
唐木:朝食を食べるからちょっとミュートするね……。
玉木:お、現代作法ですね。
西村:この間Zoom会議中に尿意を催してしまって。話を聞きながら排尿できるなんてありがたい仕組みだなと思って、AirPodsをつけたままトイレに立ったんですけど、よく考えたらこっちの音も向こうに丸聞こえなんですよね。
一同:(笑)。
西村:まさに排尿の瞬間にそのことに気がついて。
森:「死なば諸共! ザバザバー!」って?
大臣:両者相打ちですね。
西村:とっさにイヤホンを遠くへ放り投げて何とか事なきを得ました。
tofu:ありがちですね一人で仕事してると。常に何か聞いてるから。
森:俺もそういうことあるけど、うまいことミュートするよ。排尿音を。
西村:そっちを? どういう技を使うんですか?
金子:わかりますよ。壁に沿わせるんですよね。
一同:(笑)。
森:そうそう。あと合わせ技として、突然すごい喋ったりね。
一同:(笑)。
西村:ためになりますねー。
・特殊男性
(mochilon、到着)
もち:ご無沙汰してます。「スカート澤部渡、13年交際の一般女性と結婚」はまだ来てないんですか?
森:最後に登場するのが流石だよね、あの特殊男性。茂みに潜んで全員が揃うの待ってるんじゃないの?
金子:特殊男性って(笑)。そんな対義語ないですよ。
(澤部、登場)
澤部:いやいや遅くなりまして……。
森:出たー! 今夜の主役!
一同:ご結婚おめでとうございます!!
金子:「スカート澤部渡、13年交際の一般女性と結婚」!
西村:もうアワード決まったんじゃないですか?
森:一般女性にアワードを贈りたいね。
金子:澤部さんではなく一般女性に(笑)。
森:でもよく出来たね。手続き。
tofu:どういう目線ですか(笑)。
澤部:いやー、自分でもそう思いますよ。死ぬほどめんどくさかった。
森:婚姻届を証人欄から埋めるっていう斬新な組み立て方してたよね? 後のこと考えてない感じがパンクっぽくてかっこよかったよ。
澤部:いや、ミスってもいいように、ちゃんと2枚書いてもらってたんですよ。
森:自分のダメさを確信している人のムーヴだ。
西村:いやしかしめでたいですねほんとに。
澤部:ありがとうございます! 生活は何一つ変わらないんですけどね。
唐木:ここからは、実質的に準アワードを決める話し合いになりそうだね。