RADWIMPSが約2年3ヶ月ぶりのツアーで魅せた前へ進む覚悟

「数十年しか生きてないけど、生きてるとしんどいことがいっぱいあって。もう無理だな、やってられないな、投げ出したほうがずっとラクなんじゃないかと思うようなことが何回か訪れて。それでも俺は明日を選んで生きていて。それがなんでなのかよくわからないけど、それがなぜなのか知りたいがために歌を作っていて。今回のアルバムもそんな感じで作っていたんだろうなと思います。誰かに与えられた正解じゃやっぱりダメで、自分が生きてる意味をちゃんと自分で見つけたい。これからもそんなふうに歌を作っていきます。それが何かしらのヒントになったらとてもうれしいです」

洋次郎のそんな言葉から橋渡しされたのは「鋼の羽根」。〈揺るぎないものがほしかった 壊れない意志がほしかった〉というサビのフレーズが迫真的に響き渡った。

そして、本編ラストは『FOREVER DAZE』のラストナンバーでもある「SUMMER DAZE 2021」。時代の移り変わりとともにある逃れられない困難も歓喜の瞬間も受け止めながら、現在進行系のアンセムを鳴らそう──そんな揺るぎない意志を感じさせるこの曲は、このツアーを通して本当の完成を見たのだと思う。あらためて、スケールが大きくも生々しい生命力を感じさせる曲だ。

アンコールでは「棒人間」、「スパークル」、「君と羊と青」の3曲が披露された。「スパークル」の冒頭で微笑ましい演奏トラブルもあったが、それはバンドと会場にいたオーディエンスたちだけで共有する秘密としておこう。

とにかく、2022年もRADWIMPSはこの激動の時代を音楽とともに、音楽をあきらめずにタフに走り続けていくということを、しかと目の当たりにしたライブだった。そう、本編最後のMCで洋次郎はこうも言っていた。最後にその言葉を記してこのライブレポートを閉じようと思う。

「ここで今日会えたから次の楽しみがまた増えたし、こうやってエネルギーをたくさんもらったので。まだ言えないことがたくさんあるけど、現在進行系でたくさんの作品を作っていて。それがあなたの人生で何かしらの彩りであったり、新しい変化を加えられるような、そういう作品を生み出すのでよかったら受け取ってください」


photo by Takeshi Yao

Written by 三宅正一



<公演情報>

「FOREVER IN THE DAZE TOUR 2021-2022」

2022年1月9日(日)千葉・幕張メッセ
1.TWILIGHT
2.桃源郷
3.ドリーマーズ・ハイ
4.海馬
5.カタルシスト
6.DARMA GRAND PRIX
7.MAKAFUKA
8.うたかた歌
9.DADA
10.おしゃかしゃま
11.セツナレンサ
12.匿名希望
13.NEVER EVER ENDER
14.トアルハルノヒ
15.Tokyo feat.iri
16.SHIWAKUCHA feat.Awich
17.いいんですか?
18.鋼の羽根
19.SUMMER DAZE 2021
[ENCORE]
20.棒人間
21.スパークル
22.君と羊と青

<リリース情報>

RADWIMPS
『余命10年 〜Original Soundtrack〜』

発売日:2022年3月4日(金)
品番:UPCH-20615
価格:3300円(税込)
=収録曲=
1. Opening of [余命10年]
2. 茉莉の現実
3. 7年後の五輪
4. タイムカプセル
5. 最初のバイバイ
6. 挫折
7. 戸惑い
8. 病室での吐露
9. 小さなはじまり
10. 時が止まって見えた
11. 重なる四季
12. 罪なき声
13. スカイツリーと私
14. 心の悲鳴
15. 茉莉の嘘
16. 二人の叫び
17. 和人の告白
18. 重ねる時間、残り時間
19. 大丈夫、じゃない
20. ゲレンデ
21. 重ねる二人
22. 行き止まり
23. キッチンの涙
24. お姉ちゃんがお姉ちゃんでいてくれて
25. 消せない、消えない
26. 茉莉の夢
27. 涙袋
28. 届いた声
29. 君が止まって見えた
30. うるうびと

RADWIMPS Official HP:http://radwimps.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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