中島みゆき「はじめまして」で終わったラスト・ツアー、瀬尾一三と振り返る

はじめまして / 中島みゆき

田家:いろいろな街、大都市から離れたところにお住まいでずっと自分のことを支えてくれた方に対してのお別れ、お礼のツアーの最後をこの曲で締めました。「はじめまして」。

瀬尾:らしいですね。

田家:この後に新しい服を着る、新しいみゆきさんが待っていることになるんでしょうかね。

瀬尾:そうでしょうね。そう本人が言っているなら(笑)。でもこうやって終わりに「はじめまして」を持ってくるというのは彼女の真髄というか、オールナイトも1番最後に「こんばんは、中島みゆきです」で終わってますから。

田家:あー、さよならを言わなかった。

瀬尾:1番最後に「こんばんは、中島みゆきです」で終わってますからね。それと同じようなものです。このコンサートも「はじめまして」で終わります(笑)。

田家:で、大阪の2020年2月26日のMCの「元気でお会いできる日」が来るんでしょうね、そういう日が。

瀬尾:申し訳ないけども、これこそ「天任(そらまか)せ」ですね。だって僕たち人間の力ではどうにもならないことですし。

田家:そうなっちゃったツアーですもんね。

瀬尾:だから本当にみんなが大手を振って元来の仕事ができるようになるのが1番必要なことであって、コソコソやりたくないですよ。だってましてや僕75歳で、彼女は70歳ですよ。なんでこんなに歳になってからコソコソしなくちゃダメなんですか(笑)。

田家:年齢言ってしまったわーみたいな感じが。

瀬尾:いやいやもう70歳は大体知ってますよ。2月23日天皇誕生日と一緒なんですから、みんなご存知ですよ(笑)。

田家:そうなったときにこのライヴアルバムはどんな意味を持つことになるんでしょうね。

瀬尾:人間っておもしろいものでそうなってみたときにどんなものになるのか、次のものに取って代わるのか、中島さんの次の新しいものに取って代わるのか、それともこれが終わりなのか、それは誰にも分からないことですよね。でも、こうやって生を受けて生きている限り、所謂クリエイターなので作るということは考えているんですけども、作るということの方法論が今はどうなのという。従来のやり方なのか、それとも違うやり方なのか。それとも全く違う方法論を考えるのかってことですよね。それにしてもさっきからずっと言っているように本当に「天任(そらまか)せ」なんですよ。歯向かったところでしょうがないというところもありますしね。

田家:このライヴアルバムが今後どんな意味を持ってくるか、今月の4週間の放送がどういう放送として残っていくかということにも繋がってくることで。

瀬尾:そんなに恐ろしいこと言わないでください(笑)。いやーそうですね、本当にそうかもしれない。でも、一番組として結果になるように望みますね。

田家:そうですね。あのときはこうだったねって言えるようになればいいですね

瀬尾:今度そのときには一緒に「時代」を歌いましょう(笑)。

田家:永久保存版の4週間にしていただけるとうれしいです。ありがとうございました!

瀬尾:ありがとうございました!


『中島みゆき 2020 ラスト・ツアー「結果オーライ」』ジャケット写真

Rolling Stone Japan 編集部

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