銃を手に取ることはアメリカ人の美徳 共和党候補者たちが中間選挙を前に過激化

過激化こそが目的

こうした過激化の傾向は共和党内部、それも共和党だけで見られることから、本選挙が近くなればCMのトーンも落ちつくだろう、と考える者もいる。えてして候補者は、選挙前にはより多くの有権者に媚びるために穏健なメッセージに方向転換するものだからだ。

昨年のバージニア州知事選では、共和党のグレン・ヨンキン候補者は予備選挙で銃や中絶、トランプ愛を振りかざしていた。だが本選挙直前には銃や中絶に対する態度を和らげ、トランプ氏からも距離を置き、結果として民主党のテリー・マコーリフ候補に大勝した。

だが銃への新たな執着は、ヨンキン氏のような頭の切れる億万長者から生まれたものではない。熱心なMAGA一派から生まれたものだ。そしておそらく予備選挙が終わっても根強く残るだろうし、さらにいえば政党のDNAにも深く刻み込まれるだろう。今の共和党は過激派思想や陰謀論に染まり、政治的目標の達成のためには暴力も正当な手段だという考えにどっぷり浸っている。

「変わることはないでしょう」とマドリード氏も言う。「予備選挙のための戦術ではありません。これが共和党主義の主流です。ひとたびその鎧を脱ぎ去れば、縮小しつつある共和党基盤から必要な支持や投票率を失ってしまうでしょう。過激化こそが目的なのです。銃を手にして目の前の敵や迫りくる敵を打ち倒す、大義のためなら喜んで暴力をふるう、とアピールするためです。これは一部少数派ではありません。こうした連中が共和党の予備選挙で勝利を収めつつあるのです」

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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