アイドルから新時代のロックスターへ ハリー・スタイルズが追求してきた「自由な愉しさ」

 
『Harry’s House』で見つけた自分の才能

「やっと、”ヒットしなかったら人生終わり”と感じなくなったんだ」。「自由」を尊ぶハリー・スタイルズが、商業的プレッシャーから解放される境地に至ったアルバムこそ、3rd『Harry’s House』だ。

はじまりは、パンデミック危機下、親元を離れた16歳以来はじめて得られた長期休暇。同居する友人たちと遊びの延長で制作が始まったため、あえて他作品を参照せず、まっしろな気持ちで紡いでいったという。実際、サウンドはリラクシングでグルーヴィー。マイケル・ジャクソン的な「Music for a Sushi Restaurant」から始まり、東京のホテルで制作した「Little Freak」、ジョン・メイヤーのエレキギターがセクシーな「Cinema」、ブラザーズ・ジョンソン「Ain’t We Funkin Now」をサンプリングした「Daydreaming」……ハリーと家のなかで一日過ごすかのような、親密な作品だ。




当初は物質的な意味としていた「家」コンセプトは、制作過程でより広範に、安全を感じられる精神的なものに変容していったという。ラストトラック「Love Of My Life」では故郷イギリスへの愛が歌われるが、彼が描く「家」のなかには、日本も含まれているかもしれない。前作の制作終盤、長期滞在した東京で耳にした細野晴臣『HOSONO HOUSE』を大層気に入り『Harry’s House』コンセプトの参考にしたそうだ。


5月20日(土)にニューヨークで一夜限り開催、ライブ配信された「Apple Music Live:ハリー・スタイルズ」の模様。日本時間5月26日(木)午後6時〜アンコール配信を予定。

なにより、ハリーのホームはコンサートだろう。ミュージシャンとして変容を重ねる一方、ファンへの感謝は不変な彼は、見ず知らずの人々が集まり家族となるライブを人生最高の歓びとしてきた。むしろ、友人との共同作業を通してプレッシャーから解放された今作によって、はじめて音楽制作のことをパフォーマンスと同等に愛することができたという。

そのなかで、発見もあった。演奏にも歌唱にも秀でていないと自認するハリーだが「人を集めること」こそ自分の才能だと気づけたという。彼がもっとも輝ける場所は、形式的な決まりやプレッシャーから離れ、本能的につながる空間なのだ。ともなれば、ボーイバンド時代から育まれてきたであろう「人々と愉しむ」才覚が、制作、ステージの両方で結実した作品こそ『Harry’s House』なのではないか。

商業的成功のプレッシャーから解放されたというアルバムがキャリア最大ヒットになりそうな向きは、矛盾しているようでしていない。「新時代のロックスター」、ハリー・スタイルズの魅力は「自由な愉しさ」にこそ宿っているのだから。




ハリー・スタイルズ
『Harry’s House』
配信中(2022年5月20日リリース)

<国内盤CD>
2022年6月8日(水)発売 ¥2,640(税込)
ソフトパック仕様/初回仕様限定ポスター封入
先着購入者特典:メガジャケ(Amazon.co.jp)、ミニクリアファイル(リアルショップ限定)、ポストカード(ECショップ限定)

輸入盤・配信:https://HarryStyles.lnk.to/HarrysHouse_JPRS
国内盤:https://SonyMusicJapan.lnk.to/HarrysHouseRS
先着購入者特典 詳細:https://www.sonymusic.co.jp/artist/harrystyles/info/540482

<輸入盤>
●CD
●アナログ盤(12インチ)
●【Sony Music Shop 限定】イエロー・カセット
●【Sony Music Shop 限定】オレンジ・カセット
商品詳細:https://onl.sc/pWY6mxn


Apple Music Live:ハリー・スタイルズ
アンコール配信日時:5月26日(木)午後6時(日本時間)
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