ASH DA HEROが語る野望「歴史を作り、ロックバンドとしての道を示したい」

ーWANIさんとSatoさんも諦めかけていたところでの加入ですし、Narukazeさんも以前組んでいたバンドの解散を経ての加入ですし、運命的な巡り合わせによって結成されたバンドなんだなと感じました。

Narukaze:自分の返事も即答でしたからね(笑)。

ASH:「ちょっと話あるんだけどさ、バンドやんない?」、「おぉー! やる」でしたから。

Narukaze:考えたのは、その「おぉー!」の時間だけ(笑)。


Narukaze(Gt.)

ASH:その「おぉー!」と「やる」のあいだに、小さい声で「キタ」とも囁いていました(笑)。

ーASHさんがこの4人を選んだ理由も知りたいです。まずNarukazeさん。

ASH:Naruくんは、ソロでASH DA HEROを始める前からライブハウスで出逢っていて「すげぇ格好良いギタリストじゃん!」と思っていたんです。一目惚れですね。それで片想いだと思っていたら、実は両想いだったみたいなんですけど(笑)。で、ソロを始めることになったときに「僕のアルバムでギターを弾いてくれないか?」とお願いして、ライブにも関わってもらって。なので、バンドをやるならギタリストはNaruくんしかいないと思っていたんです。

ー続いて、Satoさん。

ASH:Satoくんも出逢いはライブハウスで、ソロ活動の初期にたまたま対バンで一緒になって。ライブを観てみたらすごく華があるベーシストで、その存在感にすごく惹かれたから「ウチでも弾いてほしい」とお願いして、スケジュールの都合でなかなか実現しなかったんですけど、最終的にサポートとして力を貸してもらえることになったんですよね。そういう経緯もあったので、なんとなくコロナ禍に突入したときのブルースみたいなものは感じていたこともあって、自分がバンドを組むときに「いや、思う存分に音楽をやれる場所はここにあるよ」と思って誘ったんです。


WANI(Dr.)

ー続いて、WANIさん。

ASH:WANIさんはそもそも地元が一緒なんですけど、先輩のバンドとして活躍していて。僕は普通にチケットを買ってライブを観に行っていたんですけど、そのときからずっとWANIさんのドラムが好きだったんです。で、自分のソロのレコーディングでご一緒する機会があって「やっぱり良いな。ライブでも叩いてほしいな」と思って、何度もオファーはしていたんですけど、これまたなかなかタイミングが合わず、でも2021年のソロ最終章のライブで叩いてもらえることになって。そこで改めて「すげぇバンドマンだな」と思ったから「バンドで叩いたほうが良いっしょ?」と誘ったんですけど、そしたら「ごめん」と文面で断られたから「うん、わかった」と言いつつ家の近所まで押しかけて(笑)。「WANIさん、何してます?」、「今、家にいるけど」、「近くの公園にいるから来てください」みたいな。そしたら「俺、ボコられんの?」って言いながら夜の公園に来てくれて一緒にやることになったんです。

一同:(笑)

ーそして、Dhalsimさん。

ASH:Dhalsimの名前だけはずーっと自分のまわりからよく聞いていて。例えば、僕がかつてバイトしていた店に久しぶりに顔を出したら「最近、新しい子が入ったんだけどさ、めちゃくちゃな奴で。ダルシムって言うんだけど」と聞いて「Dhalsim?」みたいな。どこかでミュージシャンと一緒に呑んでいたときにも「そういえば、ASHは会ったことないよな。DJでDhalsimって言うんだけど」、「Dhalsim?」。そんな感じで、Dhalsimの名前だけは僕の中にずっと入っていて。で、バンドをやろうとNaruくんと話していたときに「ちなみにさ、DJをバンドに入れるの、どう思う?」、「それ、最高じゃん。俺、ルーツにヒップホップあるし、DJにもめちゃくちゃ興味あるし。誰か知り合いいるの?」、「うん。Dhalsimって言うんだけどさ」って。

一同:(笑)

ー三段オチみたいになっていますけど(笑)。

ASH:ここまで来ると、トランプのスリーカードが揃っちゃったようなもんなんで(笑)、自分も「ダルシムでしょ」みたいな感じになって。僕と他の3人のようなストーリーはないんだけど、僕のまわりにはいつもDhalsimという名前が存在していたということは、それだけDhalsimがバンドやいろんなところで「何としても音楽で爪痕を残してやる。絶対に俺はやる」って必死に活動してきた証拠だと思うし、その想いが伝播した結果じゃないですか。なので、これはただの偶然じゃなく絶対に必然だし、僕の中でも「DJを入れるならDhalsimしかいないな」と自然と思えたんですよね。

ーどのメンバーとも運命的な結び付きを感じます。

ASH:経緯をいろいろお話したんですけど、一番の決め手は直感なんですよね。この5人が揃った瞬間に「何か凄いことが始まるんじゃないか」という感覚があって。なので、たしかに運命的な結び付きはあるのかもしれないです。

Rolling Stone Japan 編集部

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