リンダ・リンダズから広がるピープル・ツリー 4人と共鳴する6組の音楽

4. ザット・ドッグ(that dog.)

Photo by Lindsay Brice/Getty Images

インタビューでフェイバリットに挙げられていたザット・ドッグは、グランジロックにヴァイオリンの音色と甘いコーラスを重ねる独自のサウンドで、90年代LAシーンの中でもキラリと輝く存在。1997年に解散するも再結成しており、2019年に久々の新作『Old LP』をリリースした際にも変わらぬポップセンスを発揮していた(MVには俳優ジャック・ブラックも出演!)。ミラやルシアと同じく高名なプロデューサーを父にもつアンナ・ワロンカーと、ジャズ・ベースの巨匠チャーリー・ヘイデンの娘であるレイチェル、ペトラの姉妹を中心に結成され、ベックやレンタルズ、レッド・クロスなどとも交流があった。ティーンエイジャーが抱える複雑な心境を歌詞やメロディアスなサウンドで代弁した『Retreat from the Sun』(1997年)は、Z世代にまで影響を与え続けている。



5. ミカ・ミコ(Mika Miko)

Photo by Lawrence K. Ho/Los Angeles Times via Getty Images

X、ジャームスなどLAパンクの基盤を築いたバンドたちが夜な夜な集まったThe Masque。その伝統を受け継いだライブハウス兼アートスペースThe Smellを拠点に、ノー・エイジなどとLAアンダーグラウンドシーンを築いたのが、5人組ガールズバンドのミカ・ミコ。リンダ・リンダズと同様にセルフリリースを重ねたのち、ビキニ・キルらを輩出したKill Rock Starsから2006年にデビューアルバム『C.Y.S.L.A.B.F.』を発表。サックスやキーボードが交錯するノーウェイブな音楽性がチャームポイントとなり人気を獲得したが、メンバーが学業へ戻ることを希望したため、2010年に活動の終止符を打った。その後、メンバーのカルヴィン姉妹はブリーチドを結成。前述のカルロス・デ・ラ・ガルザがプロデュースを手がけており、ライブでもリンダ・リンダズと共演している。



6. 新しい学校のリーダーズ(ATARASHII GAKKO!)

4人組ダンス・ヴォーカルユニット、新しい学校のリーダーズの『SNACKTIME』(2021年)にはパンクからダンス・ポップまで予測不能な5曲が収録されている。このEPを全曲プロデュースしているのは、元大工の日系人キーボーディストで、ビースティ・ボーイズ第4のメンバーとも呼ばれたマニー・マーク。LA出身の彼は前述のマーティン・ウォンと「Giant Robot」時代からの古い友人であり、リンダ・リンダズともバンド結成の早い段階からライブで共演している。新しい学校のリーダーズは楽器こそ持たないが、アジアのカルチャーシーンを世界中に発信するメディアプラットフォーム・レーベル88risingから世界デビューを果たし、学生服姿で「青春日本代表」を自称しているところが、映画『リンダ リンダ リンダ』にバンド名の由来をもつ彼女たちともイメージが重なる。

【関連記事】リンダ・リンダズが語る音楽的ルーツと4人の成長、ブルーハーツと日本への想い






ザ・リンダ・リンダズ
『Growing Up』
発売中
再生・購入:https://silentlink.co.jp/growingup09

SUMMER SONIC 2022
8月20日(土)、21日(日)
千葉・ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪・舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※リンダ・リンダズは20日(東京)、21日(大阪)に出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/

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